この投稿は,高校数学Ⅰ『図形と計量』の大学入試合格に向けたロードマップをまとめたものです。
基本問題から応用問題まで幅広く,単元の中で取り組むべき内容をまとめました。
三角比
鋭角の三角比
『三角比の定義』を用いて、有名角と呼ばれる $30^\circ$、$45^\circ$、$60^\circ$ の三角比を求めると下のようになる!
2種類の三角定規を思い出せばいいね!
$30^\circ$、$60^\circ$ の直角三角形は $1:2:\sqrt{3}$、
$45^\circ$ の直角二等辺三角形は $1:1:\sqrt{2}$
という辺の比を利用しよう!
$\displaystyle{\sin30^\circ=\frac{1}{2}}$ $ \displaystyle{\cos30^\circ=\frac{\sqrt{3}}{2}}$ $ \displaystyle{\tan30^\circ=\frac{1}{\sqrt{3}}}$
$\displaystyle{\sin45^\circ=\frac{1}{\sqrt{2}}}$ $ \displaystyle{\cos45^\circ=\frac{1}{\sqrt{2}}}$ $ \displaystyle{\tan45^\circ=1}$
$\displaystyle{\sin60^\circ=\frac{\sqrt{3}}{2}}$ $\displaystyle{ \cos60^\circ=\frac{1}{2}}$ $ \displaystyle{\tan60^\circ=\sqrt{3}}$
$30^\circ$、$45^\circ$、$60^\circ$ 以外の三角比が知りたかったら、教科書を見てみよう!
$0^\circ$ から $90^\circ$ の三角比の表が載っているよ!
三角比の表を用いる問題は、共通テストにも出題されたことがあるね!
$r=1$ とすると、三角比の定義式は
$\sin\theta=y$,$\cos\theta=x$
となり、図で表すと右のようになる
斜辺の長さ ( $r$ ) を $1$ で固定して、$30^\circ$、$45^\circ$、$60^\circ$ の直角三角形を並べてみると
$\theta$ が大きくなれば、$\sin\theta$ は大きくなり、$\cos\theta$ は小さくなる
$\tan\theta$ は $\displaystyle{\frac{y}{x}}$ より、斜辺の傾きを表す
$30^\circ$、$45^\circ$、$60^\circ$ の直角三角形を並べてみると
$\theta$ が大きくなれば、$\tan\theta$ は大きくなる
90°-θの三角比
$90^\circ-\theta$ の公式はこれ↓
$\sin(90^\circ-\theta)=\cos\theta$
$\cos(90^\circ-\theta)=\sin\theta$
$\displaystyle{\tan(90^\circ-\theta)=\frac{1}{\tan\theta}}$
このままでは覚えにくいので、下のような覚え方がおすすめ!
$●+■=90^\circ$ とすると
$\sin●=\cos■$(足して $ 90^\circ$ の $\sin$ と $\cos$ は同じ)
$\displaystyle{\tan●=\frac{1}{\tan■}}$(足して $ 90^\circ$ の $\tan$ は逆数の関係)
(1) $\sin70^\circ=\cos□$
(2) $\displaystyle{\tan80^\circ=\frac{1}{\tan□}}$
(1) $\sin70^\circ=\cos20^\circ$ ←足して $ 90^\circ$ の $\sin$ と $\cos$ は同じ
(2) $\displaystyle{\tan80^\circ=\frac{1}{\tan20^\circ}}$ ←足して $ 90^\circ$ の $\tan$ は逆数の関係
$90^\circ-\theta$ の公式を用いると、$45^\circ$ から $90^\circ$ の三角比は $45^\circ$ 以下で表すことができる!
つまり、三角比の表は $45^\circ$ まであれば十分!
例えば、$\sin70^\circ$ の値が知りたければ、$\cos20^\circ$ の値を見ればいいということだね!
三角比と辺の長さや角の大きさ
直角三角形の1つの鋭角の三角比と1辺の長さがわかっている場合、他の辺の長さを求めることができるよ!
(1) 右図の直角三角形において
$\sin20^\circ≒0.3420$,$\cos20^\circ≒0.9397$
のとき、 $x$ と $y$ の値を求めよ。
(2) 右図の直角三角形において
$\tan20^\circ≒0.3640$
のとき、 $y$ の値を求めよ。
(3) 右図の直角三角形において
$\displaystyle{\sin\theta=\frac{3}{5}}$,$\displaystyle{\cos\theta=\frac{4}{5}}$
のとき、 $x$ と $y$ の値を求めよ。
(1) $y=10\sin20^\circ≒3.420$
$x=10\cos20^\circ≒9.397$
(2) $y=10\tan20^\circ≒3.640$
(3) $\displaystyle{y=10\sin\theta=10\cdot\frac{3}{5}=6}$
$\displaystyle{x=10\cos\theta=10\cdot\frac{4}{5}=8}$
鈍角への拡張と三角比の値
鈍角の三角比の値は座標平面上で考える
定義式は変わらないが、$x$ と $y$ は長さではなく座標である
$\displaystyle{\sin120^\circ=\frac{\sqrt{3}}{2}}$
$\displaystyle{\cos120^\circ=-\frac{1}{2}}$
$\displaystyle{\tan120^\circ=-\sqrt{3}}$
ちなみに鈍角までの三角比の表はこれ!
鈍角では $x$ 座標が負の値をとるので、$\cos$ と $\tan$ は負の値になるね!
180°-θの三角比
$180^\circ-\theta$ の公式はこれ↓
$\sin(180^\circ-\theta)=\sin\theta$
$\cos(180^\circ-\theta)=-\cos\theta$
$\tan(180^\circ-\theta)=-\tan\theta$
このままでは覚えにくいので、下のような覚え方がおすすめ!
$●+■=180^\circ$ とすると
$\sin●=\sin■$(足して $ 180^\circ$ の $\sin$ は同じ)
$\cos●=-\cos■$(足して $ 180^\circ$ の $\cos$ は異符号)
$\tan●=-\tan■$(足して $ 180^\circ$ の $\tan$ は異符号)
(1) $\sin160^\circ=\sin□$
(2) $\cos170^\circ=-\cos□$
(1) $\sin160^\circ=\sin20^\circ$ ←足して $ 180^\circ$ の $\sin$ は同じ
(2) $\cos170^\circ=-\cos10^\circ$ ←足して $ 180^\circ$ の $\cos$ は異符号
$180^\circ-\theta$ の公式を用いれば、鈍角の三角比を鋭角の三角比で表せるね!
さらに、$90^\circ-\theta$ の公式を用いれば、$45^\circ$ 以下の三角比で表せるよ!
$\sin130^\circ=\sin50^\circ=-\cos40^\circ$
三角比の相互関係
1 $\displaystyle{\tan\theta=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}}$
($\sin$、$\cos$、$\tan$ のうち2つわかれば残りが求まる)
2 $\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$
($\sin$、$\cos$ のうち一方がわかれば他方が求まる)
3 $\displaystyle{1+\tan^2\theta=\frac{1}{\cos^2\theta}}$
($\tan$、$\cos$ のうち一方がわかれば他方が求まる)
(2) $\theta$ を鋭角とする。$\displaystyle{\tan\theta=\frac{3}{4}}$ のときの $\sin\theta$ と $\cos\theta$ を求めよ。
(1) $\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$ より
$\displaystyle{\cos^2\theta=1-\sin^2\theta=1-\left(\frac{2}{3}\right)^2=\frac{5}{9}}$
$\theta$ は鈍角なので、$\cos\theta<0$ より $\displaystyle{\cos\theta=-\frac{\sqrt{5}}{3}}$
$\displaystyle{\tan\theta=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}}$ より $\displaystyle{\tan\theta=\frac{\frac{2}{3}}{-\frac{\sqrt{5}}{3}}=-\frac{2}{\sqrt{5}}}$
(2) $\displaystyle{1+\tan^2\theta=\frac{1}{\cos^2\theta}}$ より $\displaystyle{1+\left(\frac{3}{4}\right)^2=\frac{1}{\cos^2\theta}}$
これを解いて $\displaystyle{\cos^2\theta=\frac{16}{25}}$
$\theta$ は鋭角なので、$\tan\theta>0$ より $\displaystyle{\tan\theta=\frac{4}{5}}$
$\displaystyle{\tan\theta=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}}$ より $\displaystyle{\sin\theta=\tan\theta\cos\theta=\frac{4}{5}\cdot\frac{3}{4}=\frac{3}{5}}$
$\theta$ が鋭角か鈍角か注意して、正負を間違えないようにしよう!
三角比に関する方程式
三角比は、単位円($r=1$)で考えるのがオススメ!
単位円を用いた、三角比に関する方程式の解法を学ぼう!
● $\sin$ と $\cos$
$r=1$ とすると三角比の定義式は『$\sin\theta=y$,$\cos\theta=x$』となり、
『$\sin$ は $y$ 座標、$\cos$ は $x$ 座標』と考えることができる。
斜辺の長さ ( $r$ ) を $1$ で固定した $30^\circ$、$45^\circ$、$60^\circ$ の直角三角形を考えると
(2) $0^\circ≦\theta≦180^\circ$ のとき、$\displaystyle{\cos\theta=-\frac{1}{2}}$ を解け。
(1) 単位円において、$\sin\theta$ は $y$ 座標
$y$ 座標が $\displaystyle{\frac{\sqrt{3}}{2}}$ より
$\theta=60^\circ,120^\circ$
(2) 単位円において、$\cos\theta$ は $x$ 座標
$x$ 座標が $\displaystyle{-\frac{1}{2}}$ より
$\theta=120^\circ$
● $\tan$
$\tan$ は $\displaystyle{\frac{y}{x}}$ より、『傾き』を表しており、『直線 $x=1$ との交点の $y$ 座標』が $\tan\theta$ と考えることができる。
$\tan\theta$ は傾きを表しており、
傾きが $\sqrt{3}$ より
$\theta=60^\circ$
平面図形の計量
$\triangle \textrm{ABC}$ の各頂点 $\textrm{A}$,$\textrm{B}$,$\textrm{C}$ の向かい合う辺の長さをそれぞれ $a$,$b$,$c$ とする
正弦定理
$\triangle \textrm{ABC}$ の外接円の半径を $R$ とすると
$\displaystyle\frac{a}{\sin A}=\frac{b}{\sin B}=\frac{c}{\sin C}=2R$
正弦定理は使い方を2種類知っておこう!
1組の向かい合う辺と角と外接円の半径で式を作る
$\displaystyle\frac{●}{\sin■}=2R$
・三角形の外接円の半径を求める
・三角形の外接円の半径を使って、
辺の長さや角の大きさ($\sin$の値)を求める
(2) 外接円の半径が $\sqrt{3}$ である正三角形の1辺の長さ $x$ を求めよ。
(1) 正弦定理より $\displaystyle{\frac{2}{\sin60^\circ}=2R}$
$2R\sin60^\circ=2$
$\displaystyle{R=\frac{2}{\sqrt{3}}=\frac{2\sqrt{3}}{3}}$
(2) 正弦定理より $\displaystyle{\frac{x}{\sin60^\circ}=2\sqrt{3}}$
$x=2\sqrt{3}\sin60^\circ=3$
外接円の半径というキーワードがあったら、正弦定理!
2組の向かい合う辺と角で式を作る
$\displaystyle\frac{●}{\sin ■}=\frac{○}{\sin □}$
2組の向かい合う辺と角($\sin$ の値)のうち、3つが与え
られているなら、残りの辺または角($\sin$ の値)が求まる
(2) $a=2$,$b=3$,$B=45^\circ$ であるときの $\sin A$ の値を求めよ。
(※)について $\displaystyle\frac{a}{b}=\frac{c}{d}$
両辺に $bd$ をかけると $ad=bc$
正弦定理の計算をするときは斜めにかけると計算しやすい
正弦定理の証明も確認しておこう!
円周角の定理と直径を斜辺とする直角三角形を利用して、
$\displaystyle{\frac{a}{\sin A}=2R}$ を $\angle\textrm{A}$ が鋭角・直角・鈍角によって分けて考える。
(ア)$\textrm{A}<90^\circ$ のとき
円周角の定理より $\sin A=\sin D$ … ①
$\triangle\textrm{BCD}$ について $\displaystyle{\sin D=\frac{a}{2R}}$ … ②
①、②より $\displaystyle{\sin A=\frac{a}{2R}}$
すなわち $\displaystyle{\frac{a}{\sin A}=2R}$
(イ)$\textrm{A}=90^\circ$ のとき
(ウ)$\textrm{A}>90^\circ$ のとき
円に内接する四角形の性質より $A=180^\circ-D$
よって $\sin A=\sin(180^\circ-D)=\sin D$ … ①
また $\displaystyle{\sin D=\frac{a}{2R}}$ … ②
①、②より $\displaystyle{\sin A=\frac{a}{2R}}$
すなわち $\displaystyle{\frac{a}{\sin A}=2R}$
余弦定理
$\triangle ABC$ において
$$a^2=b^2+c^2-2bc\cos A$$
$$b^2=c^2+a^2-2ca\cos B$$
$$c^2=a^2+b^2-2ab\cos C$$
式は3つとも覚える必要はないよ!
以下のように覚えよう!
$■^2=○^2+□^2-2○□\cos\theta$
余弦定理は、2辺(○と□)とその間の角($\theta$)の $\cos$ で残りの辺(■)が求まる定理
(2) $b=\sqrt{7}$,$c=\sqrt{3}$,$C=30^\circ$ のとき,$a$ を求めよ。
(2) 余弦定理より
$(\sqrt{7})^2=a^2+(\sqrt{3})^2-2\cdot a\cdot\sqrt{3}\cos30^\circ$
$a^2-3a-4=0$
$(a+1)(a-4)=0$
$a=-1,4$
$a>0$ より $a=4$
余弦定理で角($\cos$ の値)を求めるための式を学ぼう!
余弦定理 $a^2=b^2+c^2-2bc\cos A$ を変形する
$$2bc\cos A=b^2+c^2-a^2$$
$$\displaystyle\cos A=\frac{b^2+c^2-a^2}{2bc}$$
$\displaystyle{\cos\theta=\frac{○^2+□^2-■^2}{2○□}}$
3辺の長さがわかっていれば,角($\cos$ の値)を求めることができる
$0^\circ<A<180^\circ$ より $A=60^\circ$
余弦定理の証明も確認しておこう!
$a^2=b^2+c^2-2bc\cos A$ を $\angle A$ が鋭角・鈍角で分けて考える。
(ア)$\textrm{A}<90^\circ$ のとき
$\textrm{CH}=b\sin A$
$\textrm{BH}=c-b\cos A$
(イ)$\textrm{A}>90^\circ$ のとき
$\textrm{CH}=b\sin(180^\circ-A)=b\sin A$
$\textrm{BH}=c+b\cos(180^\circ-A)=c-b\cos A$
(ア),(イ)いずれの場合でも
\begin{eqnarray} a^2 &=& \textrm{CH}^2+\textrm{BH}^2 \\ &=& (b\sin A)^2+(c-b\cos A)^2 \\ &=& b^2(\sin^2A+\cos^2A)+c^2-2bc\cos A \\ &=& b^2+c^2-2bc\cos A \end{eqnarray}正弦(sin)の比で表された三角形
正弦定理 $\displaystyle\frac{a}{\sin A}=\frac{b}{\sin B}=\frac{c}{\sin C}$ より
$a:b:c=\sin A:\sin B:\sin C=3:5:7$
$a=3k$,$b=5k$,$c=7k$ ($k>0$) とおける
最も長い辺が $\textrm{AB}$ であるから、その対角 $C$ が最も大きい角である
$0^\circ<C<180^\circ$ より $C=120^\circ$
三角形の面積
$\triangle ABC$ の面積 $S$
$$\displaystyle S=\frac{1}{2}bc\sin A=\frac{1}{2}ca\sin B=\frac{1}{2}ab\sin C$$
シンプルにすると以下のようになるよ!
$\displaystyle S=\frac{1}{2}〇□\sin\theta$
2辺とその間の角の $\sin$ で面積が求まる
2. $\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$ で、手順1で求めた $\cos$ から $\sin$ を求める
3. 2辺とその間の角の $\sin$ で面積を求める
余弦定理より $\displaystyle{\cos A=\frac{4^2+3^2-(\sqrt{7})^2}{2\cdot4\cdot3}=\frac{3}{4}}$
$\sin^2 A+\cos^2 A=1$ より $\displaystyle{\sin^2 A=1-\cos^2 A=1-\left(\frac{3}{4}\right)^2=\frac{7}{16}}$
$0^\circ<A<180^\circ$ より、$\sin A>0$ なので $\displaystyle{\sin A=\frac{\sqrt{7}}{4}}$
したがって $\displaystyle{S=\frac{1}{2}\cdot4\cdot3\sin A=\frac{3\sqrt{7}}{2}}$
内接円の半径
$\triangle\textrm{ABC}$ の内接円の半径を $r$,面積を $S$ とすると
$\displaystyle{S=\frac{1}{2}r(a+b+c)}$
3辺の長さと面積から内接円の半径が求まる
$\triangle\textrm{ABC}=\triangle\textrm{IBC}+\triangle\textrm{ICA}+\triangle\textrm{IAB}$ より(内接円の中心を $I$ とする)
$\displaystyle{S=\frac{1}{2}ar+\frac{1}{2}br+\frac{1}{2}cr=\frac{1}{2}r(a+b+c)}$
内接円の半径に関する問題が出題されたら、この公式を使おう!
余弦定理より $\displaystyle{\cos A=\frac{8^2+5^2-9^2}{2\cdot8\cdot5}=\frac{1}{10}}$
$\sin^2 A+\cos^2 A=1$ より $\displaystyle{\sin^2 A=1-\cos^2 A=1-\left(\frac{1}{10}\right)^2=\frac{99}{100}}$
$0^\circ<A<180^\circ$ より、$\sin A>0$ なので $\displaystyle{\sin A=\frac{3\sqrt{11}}{10}}$
したがって $\displaystyle{S=\frac{1}{2}\cdot8\cdot5\sin A=6\sqrt{11}}$
$\displaystyle{S=\frac{1}{2}r(a+b+c)}$ より
$\displaystyle{6\sqrt{11}=\frac{1}{2}r(9+8+5)}$
よって $\displaystyle{r=\frac{6\sqrt{11}}{11}}$
円に内接する四角形
『円に内接する四角形の対角の和は $180^\circ$ である』という性質と、 $\cos(180^\circ-\theta)=\cos\theta$ や $\sin(180^\circ-\theta)=\sin\theta$ を用いて、円に内接する四角形の対角線の長さや面積を求めることができる
四角形 $\textrm{ABCD}$ は円に内接しており、$\textrm{AB}=2$、$\textrm{BC}=2$、$\textrm{CD}=3$、$\textrm{DA}=4$ である。このとき、対角線 $\textrm{BD}$ の長さと四角形 $\textrm{ABCD}$ の面積 $S$ を求めよ。
$\triangle\textrm{ABD}$ で余弦定理より
\begin{eqnarray} \textrm{BD}^2 &=& 2^2+4^2-2・2・4・\cos A \\ &=& 20-16\cos A \cdots ①\\ \end{eqnarray}$\triangle\textrm{BCD}$ で余弦定理より
\begin{eqnarray} \textrm{BD}^2 &=& 2^2+3^2-2・2・3・\cos(180^\circ-A) \\ &=& 13-12\cdot(-\cos A) \\ &=& 13+12\cos A \cdots ② \\ \end{eqnarray}①、②より、$\textrm{BD}^2$ を消去して
\begin{eqnarray} 20-16\cos A &=& 13+12\cos A \\ \cos A &=& \frac{1}{4} \\ \end{eqnarray}①に代入して $\displaystyle{\textrm{BD}^2=20-16\cdot\frac{1}{4}=16}$
$\textrm{BD}>0$ より $\textrm{BD}=4$
$\sin^2 A+\cos^2 A=1$,$\sin A>0$ より
$\displaystyle{\sin A=\sqrt{1-\left(\frac{1}{4}\right)^2}=\frac{\sqrt{15}}{4}}$
よって、四角形の面積 $S$ は
\begin{eqnarray} S &=& \triangle\textrm{ABD}+\triangle\textrm{BCD} \\ &=& \frac{1}{2}\cdot2\cdot4\sin A+\frac{1}{2}\cdot2\cdot3\sin(180^\circ-A) \\ &=& 4\sin A+3\sin A \\ &=& 7\sin A \\ &=& \frac{7\sqrt{15}}{4} \\ \end{eqnarray}角の二等分線の長さ
$\textrm{AB}=3$,$\textrm{AC}=5$,$\angle\textrm{A}=120^\circ$ の $\triangle\textrm{ABC}$ において,角の二等分線 $\textrm{AD}$ の長さを求めよ。
$\textrm{AD}=x$ とおくと
\begin{eqnarray} \triangle\textrm{ABC} &=& \triangle\textrm{ABD}+\triangle\textrm{ACD} \\ \frac{1}{2}\cdot3\cdot5\sin120^\circ &=& \frac{1}{2}\cdot3\cdot x\sin 60^\circ+\frac{1}{2}\cdot5\cdot x\sin60^\circ \\ 3\cdot5 &=& 3\cdot x+5\cdot x \\ x &=& \frac{15}{8} \end{eqnarray}したがって $\displaystyle{\textrm{AD}=\frac{15}{8}}$
$\textrm{AB}=4$,$\textrm{BC}=6$,$\textrm{AB}=5$ の $\triangle\textrm{ABC}$ において,角の二等分線 $\textrm{AD}$ の長さを求めよ。
$\triangle\textrm{ABC}$ で余弦定理より
$\displaystyle{\cos B=\frac{4^2+6^2-5^2}{2\cdot4\cdot6}=\frac{9}{16}}$
線分 $\textrm{AD}$ は角の二等分線なので
$\textrm{BD}:\textrm{DC}=\textrm{AB}:\textrm{AC}=4:5$
よって $\displaystyle{\textrm{BD}=\frac{4}{9}\textrm{BC}=\frac{8}{3}}$
$\triangle\textrm{ABD}$ で余弦定理より
$\displaystyle{\textrm{AD}^2=4^2+\left(\frac{8}{3}\right)^2-2\cdot4\cdot\frac{8}{3}\cos B=\frac{100}{9}}$
$\textrm{AD}>0$ より $\displaystyle{\textrm{AD}=\frac{10}{3}}$
空間図形の計量
空間における測量
右図において、$\textrm{BC}=100$、$\angle\textrm{ABC}=75^\circ$、$\angle\textrm{ACB}=60^\circ$、$\angle\textrm{ACD}=45^\circ$ のとき、$\textrm{AD}$ の長さを求めよ。
$\triangle\textrm{ABC}$ で正弦定理より
$\displaystyle{\frac{100}{\sin45^\circ}=\frac{\textrm{AB}}{\sin60^\circ}}$
これを解いて $\textrm{AB}=50\sqrt{6}$
$\textrm{AC}=x$ として、$\triangle\textrm{ABC}$ で余弦定理より
$(50\sqrt{6})^2=x^2+100^2-2\cdot x\cdot100\cos60^\circ$
$x^2-100x-5000=0$
$x>0$ より $x=50+50\sqrt{3}$
$\triangle\textrm{ACD}$ について
\begin{eqnarray} \textrm{AD} &=& \textrm{AC}\sin45^\circ \\ &=& \frac{50\sqrt{3}+50}{\sqrt{2}} \\ &=& 25\sqrt{6}+25\sqrt{2} \\ &=& 25(\sqrt{6}+\sqrt{2}) \end{eqnarray}正四面体の体積
正四面体の体積は $\displaystyle{\frac{1}{3}\times(底面積)\times(高さ)}$ で求まる
1辺の長さが $a$ である正四面体 $\textrm{OABC}$ の体積は
$\displaystyle{\frac{1}{3}\times(\triangle\textrm{ABC}の面積)\times(高さ \textrm{OH})}$
$\triangle\textrm{ABC}$ は正三角形なので面積は
$\displaystyle{\frac{1}{2}\cdot a\cdot a \sin60^\circ=\frac{\sqrt{3}}{4}a^2}$
$\triangle\textrm{OAH}$、$\triangle\textrm{OBH}$、$\triangle\textrm{OCH}$ は直角三角形であり、斜辺と他の1辺 $\textrm{OH}$ の長さが等しいので合同である。
$\textrm{AH}=\textrm{BH}=\textrm{CH}$ が成り立つため、点 $\textrm{H}$ は$\triangle\textrm{ABC}$ の外心である。
よって、 $\textrm{AH}$ は $\triangle\textrm{ABC}$ の外接円の半径と等しい。
$\triangle\textrm{ABC}$ で正弦定理より
\begin{eqnarray} 2\textrm{AH} &=& \frac{a}{\sin60^\circ} \\ \textrm{AH} &=& \frac{1}{\sqrt{3}}a \end{eqnarray}$\triangle\textrm{OAH}$ で三平方の定理より
\begin{eqnarray} \textrm{OH} &=& \sqrt{a^2-\left(\frac{1}{\sqrt{3}}a\right)^2} \\ &=& \frac{\sqrt{2}}{\sqrt{3}}a \\ &=& \frac{\sqrt{6}}{3}a \end{eqnarray}したがって、1辺の長さが $a$ である正四面体の体積は
$\displaystyle{\frac{1}{3}\cdot\frac{\sqrt{3}}{4}a^2\cdot\frac{\sqrt{6}}{3}a=\frac{\sqrt{2}}{12}a^3}$
※ $\triangle\textrm{ABC}$ は正三角形なので、点 $\textrm{H}$ は $\triangle\textrm{ABC}$ の外心、内心、重心である。
(別解)高さ $\textrm{OH}$ 求め方
『点 $\textrm{H}$ が $\triangle\textrm{ABC}$ の重心であることを利用する』
辺 $\textrm{BC}$ の中点 $\textrm{M}$ とすると
$\displaystyle{\textrm{OM}=\textrm{AM}=\frac{\sqrt{3}}{2}}$
点 $\textrm{H}$ は $\triangle\textrm{ABC}$ の重心なので
$\textrm{AH}:\textrm{AM}=2:1$
$\triangle\textrm{OMH}$ において
$\displaystyle{\cos\angle\textrm{OMH}=\frac{\textrm{HM}}{\textrm{OM}}=\frac{\frac{1}{3}\textrm{AM}}{\textrm{AM}}=\frac{1}{3}}$
よって
$\displaystyle{\sin\angle\textrm{OMH}=\sqrt{1-(\cos\angle\textrm{OMH})^2}=\frac{2\sqrt{2}}{3}}$
以上より
\begin{eqnarray} \textrm{OH} &=& \textrm{OM}\sin\angle\textrm{OMH} \\ &=& \frac{\sqrt{3}}{2}a\times\frac{2\sqrt{2}}{3} \\ &=& \frac{\sqrt{6}}{3}a \end{eqnarray}四面体の垂線の長さ
$\angle\textrm{AOB}=\angle\textrm{AOC}=90^\circ$、$\triangle\textrm{ABC}$ の面積が $\displaystyle{\frac{3}{2}}$ である右図の四面体 $\textrm{OABC}$ について、頂点 $\textrm{O}$ から平面 $\textrm{ABC}$ に下ろした垂線の長さ $\textrm{OH}$ を求めよ。
$\triangle\textrm{OBC}$ を底面としたときの体積 $V$ は
\begin{eqnarray} V &=& \frac{1}{3}\times(底面 \textrm{OBC})\times(高さ \textrm{OA}) \\ &=& \frac{1}{3}\times\left(\frac{1}{2}\cdot 1\cdot 1\right)\times 2 \\ &=& \frac{1}{3} \cdots ① \end{eqnarray}$\triangle\textrm{ABC}$ を底面としたときの体積 $V$ は
\begin{eqnarray} V &=& \frac{1}{3}\times(底面 \textrm{ABC})\times(高さ \textrm{OH}) \\ &=& \frac{1}{3}\times\frac{3}{2}\times \textrm{OH} \\ &=& \frac{1}{2}\textrm{OH} \cdots ① \end{eqnarray}①、②より $\displaystyle{\frac{1}{2}\textrm{OH}=\frac{1}{3}}$
したがって $\displaystyle{\textrm{OH}=\frac{2}{3}}$
これで『図形と計量』の基本はばっちりだね!
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週1回20分の進捗確認で、毎週の学習スケジュールを合格トレーナーと共有します。
トレーナーは一人ひとりに「今何をすべきか」「次何をすべきか」を提案し、志望校合格に向けての学習を徹底サポート。
この進捗管理を行うことで従来の「通信教育」の弱点を取り除きました。
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パソコンやスマホ、タブレットで24時間どこからでも映像授業が見放題。
大学入試を知り尽くしたZ会グループの精鋭講師陣が、論理的なアプローチ法から答案の書き方まで徹底解説します。
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