『2次方程式の判別式D』は数学Ⅰの2次関数の分野で習いますが,
様々な場面で使うことができる重要な式です!
判別式Dの意味をきちんと知っておくことがとても大切です!
判別式Dって結局なんだっけ?という人はこの投稿を見れば,
判別式Dの理解が深まります!
判別式とは
判別式が $D=b^2-4ac$ なのは知ってるけど,判別式って結局何なの?
判別式 $D=b^2-4ac$ は2次方程式の解の種類を判別する式だよ!
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解は $\displaystyle{x=\frac{-b±\sqrt{b^2-4ac}}{2a}}$
$\sqrt{ }$ の中の $b^2-4ac$ を判別式 $D$ とします
$D>0$,$D=0$,$D<0$ のそれぞれの場合で解の種類が変わります
$D>0$ のとき
2次方程式 $2x^2-3x-3=0$ を解くと
$$x=\frac{-(-3)±\sqrt{(-3)^2-4・2・(-3)}}{4}$$
$\sqrt{ }$ の中が正,すなわち、$D>0$ なので
$\displaystyle{x=\frac{3-\sqrt{33}}{4}}$ と $\displaystyle{x=\frac{3+\sqrt{33}}{4}}$ の異なる2つの実数解をもちます
つまり、$D>0$ ならば異なる2つの実数解をもちます
補足 実数解は文字通り実数の解
$D=0$ のとき
2次方程式 $4x^2-4x+1=0$ を解くと
$$x=\frac{-(-2)±\sqrt{(-2)^2-4・1}}{4}$$
$\sqrt{ }$ の中が $0$、すなわち、$D=0$ なので
$\displaystyle{x=\frac{1}{2}}$ の1つの実数解をもちます
この1つの実数解のことを重解といいます
つまり,$D=0$ ならば重解をもちます
$D<0$ のとき
2次方程式 $2x^2-3x+3=0$ を解くと
$$x=\frac{-(-3)±\sqrt{(-3)^2-4・2・3}}{4}$$
$$x=\frac{3±\sqrt{-15}}{4}$$
$\sqrt{ }$ の中が負の数なので,この解は実数ではありません
よって,$\sqrt{ }$ の中が負,つまり,$D<0$ のときは実数解をもちません
補足
$\sqrt{ }$ の中が負である数のことを虚数といいます
数Ⅱでは 「$D<0$ ならば異なる2つの虚数解をもつ」になります
判別式と解の種類
$D>0$ のとき 異なる2つの実数解
$D=0$ のとき 重解(実数解1つ)
$D<0$ のとき 実数解をもたない
以上のように,判別式 $D$ によって解の種類が判別できます。
補足 $b$ が偶数のとき,$D$ の代わりに
$$\displaystyle{\frac{D}{4}=(bの半分)^2-ac}$$
を用いると簡単に計算ができます
2次方程式 $x^2-3x+k=0$ について次のような条件を満たす $k$ の値の範囲を求めよ。
(1) 異なる2つの実数解をもつ
(2) 実数解をもたない
(1) 異なる2つの実数解をもつ
2次方程式 $x^2-3x+k=0$ の判別式を $D$ とすると
$D=(-3)^2-4・1・k=9-4k$
$D>0$ より
$$9-4k>0$$
$$k<\frac{9}{4}$$
(2) 実数解をもたない
$D<0$ より
$$9-4k<0$$
$$k>\frac{9}{4}$$
2次方程式 $x^2-6x+k=0$ が重解をもつような $k$ の値を求めよ。
また,そのときの重解を求めよ。
2次方程式 $x^2-6x+k=0$ の判別式を $D$ とすると
$D=(-6)^2-4・1・k=36-4k$
$D=0$ より
$$36-4k=0$$
$$k=9$$
このとき
$$x^2-6x+9=0$$
$$(x-3)^2=0$$
$$x=3$$
まとめ
● 判別式 $D$ と解の種類の判別
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の判別式を $D=b^2-4ac$ とすると
$D>0$ のとき 異なる2つの実数解
$D=0$ のとき 重解(実数解1つ)
$D<0$ のとき 実数解をもたない
以上のように、判別式 $D$ によって解の種類が判別できます。
$b$ が偶数のとき,
$$\frac{D}{4}=(bの半分)^2-ac$$
を用いると簡単に計算ができます
問題
2次方程式 $2x^2-5x+k=0$ が実数解をもつような $k$ の値の範囲を求めよ。
問題2
2次方程式 $4x^2-12x+k=0$ が重解をもつような $k$ の値を求めよ。
また,そのときの重解を求めよ。
問題1
2次方程式 $2x^2-5x+k=0$ の判別式を $D$ とすると
$$D=(-5)^2-4・2・k=25-8k$$
$D≧0$ より
$$25-8k≧0$$
$$k≦\frac{25}{8}$$
問題2
2次方程式 $4x^2-12x+k=0$ の判別式を $D$ とすると
$$D=(-12)^2-4・4・k=144-16k$$
$D=0$ より
$$144-16k=0$$
$$k=9$$
このとき
$$4x^2-12x+9=0$$
$$(2x-3)^2=0$$
$$x=\frac{3}{2}$$
$\displaystyle{\frac{D}{4}}$ を用いた場合
$$\frac{D}{4}=(-6)^2-4・k=36-4k$$
$D=0$ より
$$36-4k=0$$
$$k=9$$
判別式を使う問題はとても多いので,使いこなせるようにしよう!
🔰基本…まずはこの記事から!
🔵標準…基本問題や公式の理解度が重要!
🔴応用…場合分けなど思考力が要求される!
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