二重根号

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二重根号の外し方 数学Ⅰ

高校数学Ⅰで習う『二重根号』は苦手な人が多いです!
しかし,理屈をきちんとおさえれば簡単に理解できます!
『二重根号』が苦手な人でもわかりやすく解説します!
この投稿を見れば,『二重根号』で迷うことはなくなります!

二重根号とは

『二重根号』とは 根号($\sqrt{ }$)の中に,根号($\sqrt{ }$)が入っている式 のことです。

 例 $\sqrt{5+2\sqrt{6}}$,$\sqrt{8-4\sqrt{3}}$

『二重根号』は  $\sqrt{5+2\sqrt{6}}=\sqrt{3}+\sqrt{2}$

のように外すことができる場合があり,

『二重根号』に関する問題は「二重根号を外して簡単にする」というものになります。

後で出てきますが,二重根号を外せない場合もあるので注意が必要です。

二重根号を外すための公式

まずはこの公式から覚えよう!

二重根号の外すための公式
 $a>0$,$b>0$ のとき \begin{align} &\sqrt{(a+b)+2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}+\sqrt{b} \\ &\sqrt{(a+b)-2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}-\sqrt{b} (ただし,a > b > 0) \end{align}

 

証明
$a>0$,$b>0$ のとき \begin{align} \sqrt{(a+b)+2\sqrt{ab}} & = \sqrt{(\sqrt{a})^2+(\sqrt{b})^2+2\sqrt{a}\sqrt{b}} \\             & = \sqrt{(\sqrt{a}+\sqrt{b})^2} \\             & = |\sqrt{a}+\sqrt{b}| \\             & = \sqrt{a}+\sqrt{b} \end{align} $a>b>0$ のとき \begin{align} \sqrt{(a+b)-2\sqrt{ab}} & = \sqrt{(\sqrt{a})^2+(\sqrt{b})^2-2\sqrt{a}\sqrt{b}} \\             & = \sqrt{(\sqrt{a}-\sqrt{b})^2} \\             & = |\sqrt{a}-\sqrt{b}| \\             & = \sqrt{a}-\sqrt{b} \end{align}

 

両辺を $2$ 乗しても証明できるね!

二重根号を外す方法

基本編

二重根号の外す方法

 

問題1
二重根号 $\sqrt{4+2\sqrt{3}}$ を外せ。

 

解答

 $a+b=4$$ab=3$ となるような $a$,$b$($a>0$,$b>0$)
 すなわち,和が $4$積が $3$ である $2$ 数を求める

 積が $3$ になる $2$ 数を考えると,$a=3$,$b=1$ であることが分かる

$$\sqrt{4+2\sqrt{3}}=\sqrt{3}+\sqrt{1}=\sqrt{3}+1$$

 

応用編

問題2
二重根号 $\sqrt{7-4\sqrt{3}}$ を外せ。

 

$\sqrt{ }$ の前の数字が $4$ だから,公式が使えないね…

こういうときは,$2$ を強引に作りだそう!

$\sqrt{7-4\sqrt{3}} = \sqrt{\sqrt{7}-2\sqrt{12}}$

解答

$$\sqrt{7-4\sqrt{3}} = \sqrt{7-2\sqrt{12}}$$

 $a+b=7$$ab=12$ となるような $a$,$b$($a>b>0$)
 すなわち,和が $7$積が $12$ である $2$ 数を求める

 積が $12$ になる $2$ 数を考えると,$a=4$,$b=3$ であることが分かる

\begin{align} \sqrt{7-4\sqrt{3}} &= \sqrt{\sqrt{7}-2\sqrt{12}} \\ & = \sqrt{4}-\sqrt{3} \\ & = 2-\sqrt{3} \end{align}

 

$\sqrt{7-2\sqrt{12}}=\sqrt{3}-\sqrt{4}$ としないように!

左辺は正,右辺は負となって式が成り立たなくなるよ!

問題3
二重根号 $\sqrt{3+\sqrt{5}}$ を外せ。

 

この場合は以下のような式変形で,$2$ を強引に出そう!

$\displaystyle{\sqrt{3+\sqrt{5}}=\sqrt{\frac{6+2\sqrt{5}}{2}}}$

解答
\begin{align} \sqrt{3+\sqrt{5}} & = \sqrt{\frac{6+2\sqrt{5}}{2}} \\ & = \frac{\sqrt{6+2\sqrt{5}}}{\sqrt{2}} \\ \end{align}

 分子について,和が $6$積が $5$ である $2$ 数を求めると,$5$ と $1$ である

$$\displaystyle{\frac{\sqrt{5}+\sqrt{1}}{\sqrt{2}}}$$

 分母を有理化すると,

$$\displaystyle{\frac{\sqrt{10}+\sqrt{2}}{2}}$$

二重根号が外れない場合と判定方法

二重根号が外せない場合があるの?

例えば,$\sqrt{5+2\sqrt{3}}$ を考えてみよう!

この場合,和が $5$,積が $3$ である $2$ 数を考えるけど,

そのような自然数の組は存在しない!

こんなときは二重根号を外すことができないよ!

簡単に見分ける方法はないの?

二重根号を外せるかどうかの見分け方
 $\sqrt{A\pm2\sqrt{B}}$ について,$A^2-4B$ が平方数のとき二重根号を外すことができる。

 

<解説>

 $\sqrt{A\pm2\sqrt{B}}$ について,和が $A$,積が $B$ である自然数の組 $a$,$b$ が存在する条件は

 $x^2-Ax+B=0$ の解が $2$ つとも自然数であること

 よって,判別式 $A^2-4B$ が平方数であることが必要

 逆に,判別式が平方数なら,解が $2$ つとも自然数である

 

問題4
次の数が二重根号を外せるかどうか判定せよ。
(1) $\sqrt{9+2\sqrt{20}}$
(2) $\sqrt{10+2\sqrt{7}}$

 

解答

(1) $A^2-4B=9^2-4\cdot20=1$ となり,平方数であるため二重根号を外せる

(2) $A^2-4B=10^2-4\cdot7=72$ となり,平方数でないため二重根号を外せない

 

このことを知っていると,二重根号を外せるかどうかが簡単に判定できるね!

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🔰基本…まずはこの記事から!
🔵標準…基本問題や公式の理解度が重要!
🔴応用…場合分けなど思考力が要求される!

数学Ⅰ 数と式
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