高校数学Ⅰで習う『二重根号』は苦手な人が多いです!
しかし,理屈をきちんとおさえれば簡単に理解できます!
『二重根号』が苦手な人でもわかりやすく解説します!
この投稿を見れば,『二重根号』で迷うことはなくなります!
二重根号とは
『二重根号』とは 根号($\sqrt{ }$)の中に,根号($\sqrt{ }$)が入っている式 のことです。
例 $\sqrt{5+2\sqrt{6}}$,$\sqrt{8-4\sqrt{3}}$
『二重根号』は $\sqrt{5+2\sqrt{6}}=\sqrt{3}+\sqrt{2}$
のように外すことができる場合があり,
『二重根号』に関する問題は「二重根号を外して簡単にする」というものになります。
後で出てきますが,二重根号を外せない場合もあるので注意が必要です。
二重根号を外すための公式
まずはこの公式から覚えよう!
両辺を $2$ 乗しても証明できるね!
二重根号を外す方法
基本編
$a+b=4$,$ab=3$ となるような $a$,$b$($a>0$,$b>0$)
すなわち,和が $4$,積が $3$ である $2$ 数を求める
積が $3$ になる $2$ 数を考えると,$a=3$,$b=1$ であることが分かる
$$\sqrt{4+2\sqrt{3}}=\sqrt{3}+\sqrt{1}=\sqrt{3}+1$$
応用編
$\sqrt{ }$ の前の数字が $4$ だから,公式が使えないね…
こういうときは,$2$ を強引に作りだそう!
$\sqrt{7-4\sqrt{3}} = \sqrt{\sqrt{7}-2\sqrt{12}}$
$$\sqrt{7-4\sqrt{3}} = \sqrt{7-2\sqrt{12}}$$
$a+b=7$,$ab=12$ となるような $a$,$b$($a>b>0$)
すなわち,和が $7$,積が $12$ である $2$ 数を求める
積が $12$ になる $2$ 数を考えると,$a=4$,$b=3$ であることが分かる
\begin{align} \sqrt{7-4\sqrt{3}} &= \sqrt{\sqrt{7}-2\sqrt{12}} \\ & = \sqrt{4}-\sqrt{3} \\ & = 2-\sqrt{3} \end{align}
$\sqrt{7-2\sqrt{12}}=\sqrt{3}-\sqrt{4}$ としないように!
左辺は正,右辺は負となって式が成り立たなくなるよ!
この場合は以下のような式変形で,$2$ を強引に出そう!
$\displaystyle{\sqrt{3+\sqrt{5}}=\sqrt{\frac{6+2\sqrt{5}}{2}}}$
分子について,和が $6$,積が $5$ である $2$ 数を求めると,$5$ と $1$ である
$$\displaystyle{\frac{\sqrt{5}+\sqrt{1}}{\sqrt{2}}}$$
分母を有理化すると,
$$\displaystyle{\frac{\sqrt{10}+\sqrt{2}}{2}}$$
二重根号が外れない場合と判定方法
二重根号が外せない場合があるの?
例えば,$\sqrt{5+2\sqrt{3}}$ を考えてみよう!
この場合,和が $5$,積が $3$ である $2$ 数を考えるけど,
そのような自然数の組は存在しない!
こんなときは二重根号を外すことができないよ!
簡単に見分ける方法はないの?
<解説>
$\sqrt{A\pm2\sqrt{B}}$ について,和が $A$,積が $B$ である自然数の組 $a$,$b$ が存在する条件は
$x^2-Ax+B=0$ の解が $2$ つとも自然数であること
よって,判別式 $A^2-4B$ が平方数であることが必要
逆に,判別式が平方数なら,解が $2$ つとも自然数である
(1) $\sqrt{9+2\sqrt{20}}$
(2) $\sqrt{10+2\sqrt{7}}$
(1) $A^2-4B=9^2-4\cdot20=1$ となり,平方数であるため二重根号を外せる
(2) $A^2-4B=10^2-4\cdot7=72$ となり,平方数でないため二重根号を外せない
このことを知っていると,二重根号を外せるかどうかが簡単に判定できるね!
🔰基本…まずはこの記事から!
🔵標準…基本問題や公式の理解度が重要!
🔴応用…場合分けなど思考力が要求される!
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