割られる数=割る数×商+余り
小学校のときの割り算
$100÷3=33\cdots1$
$100$ を $3$ で割った商は $33$ で余りは $1$ という式
高校ではこれを
$100=3・33+1$ と表す
つまり
$(割られる数)=(割る数)\times(商)+(余り)$
という式で表す
余りの範囲
「$20$ 個のりんごを $3$ 人で分けたら $5$ 個余ったよ」って言われたらどう思う?
もう $1$ 個ずつ分けられるから余るのは $2$ 個だよね?
余りが割る数よりも大きいのはおかしい!
その通り!
余りがマイナスもおかしいから,
$0≦(余り)<(割る数)$ にならないといけないね!
負の数を割ったときの余り
$-20=3・(商)+(余り)$
$0≦(余り)<3(割る数)$ を満たすように商と余りを入れると
$-20=3・(-7)+1$
商は $-7$,余りは $1$
負の数を割る場合は,
$0≦(余り)<(割る数)$
をふまえて
$(割られる数)=(割る数)\times(商)+(余り)$
の式を作ることが大切!
余りをもつ数の表し方
倍数の表し方
$5$ の倍数は
$\cdots,-10,-5,0,5,10,15,\cdots$
すなわち
$\cdots,5\cdot(-2),5\cdot(-1),5\cdot0,5\cdot1,5\cdot2,5\cdot3,\cdots$
$5$ の倍数は $5\cdot(整数)$ と表せるので
これらを整数 $k$ を用いて表すと $5k$ と表せる
余りをもつ数の表し方
$5$ で割ると $2$ 余る数 $a$ は
商を $k$ ($k$ は整数) とすると
$a$ を $5$ で割ると商が $k$ で余りが $2$ なので
$(割られる数)=(割る数)\times(商)+(余り)$ より
$a=5k+2$ と表される
$5$ で割ると $2$ 余る数を書き並べてみると
$\cdots,-8,-3,2,7,12,\cdots$
すなわち
$\cdots,5\cdot(-2)+2,5\cdot(-1)+2,5\cdot0+2,5\cdot1+2,5\cdot2+2,\cdots$
$5$ で割ると $2$ 余る数は
$5\cdot(整数)+2$ で表される
余りを求める問題
(1) $a+b$
(2) $ab$
$a$,$b$ は整数 $k$,$l$ を用いて
$a=7k+4$,$b=7l+5$ と表せる
(1)
$a+b=(7k+4)+(7l+5)$
$=7k+7l+9$
$=7k+7l+7+2$
$=7(k+l+1)+2$
$k+l+1$ は整数なので
$a+b$ は $7\cdot(整数)+2$ で表される
よって $a+b$ を $7$ で割った余りは $2$
(2)
$ab=(7k+4)(7l+5)$
$=7^2kl+7\cdot5k+7\cdot4l+20$
$=7^2kl+7\cdot5k+7\cdot4l+7\cdot2+6$
$=7(7kl+5k+4l+2)+6$
$7kl+5k+4l+2$ は整数なので
$ab$ は $7\cdot(整数)+6$ で表される
よって $ab$ を $7$ で割った余りは $6$
余りを簡単に求める方法
(1) $a+b$
(2) $ab$
$a$,$b$ は整数 $k$,$l$ を用いて
$a=7k+4$,$b=7l+5$ と表せる
(1)
$a+b=(7k+4)+(7l+5)$
$=7(k+l)+(4+5)$
$7k$ と $7l$ は必然的に $7$ でまとめれるので
$a+b$ を $7$ で割った余りは $4+5$ を $7$ で割った余りになる
$4+5$ は $a$ と $b$ をそれぞれ $7$ で割った余りの和なので
$(a+b を 7 で割った余り)=(余りの和 4+5 を 7 で割った余り)$
(2)
$ab=(7k+4)(7l+5)$
$=7(7kl+5k+4l)+4\cdot5$
分配法則で展開した $4\cdot5$ 以外は $7$ でまとめれるので
$ab$ を $7$ で割った余りは $4\cdot5$ を $7$ で割った余りになる
$4\cdot5$ は $a$ と $b$ をそれぞれ $7$ で割った余りの積なので
$(ab を 7 で割った余り)=(余りの積 4\cdot5 を 7 で割った余り)$
(1) $a+b$
(2) $ab$
(1)
$(a+b を 5 で割った余り)=(余りの和 4+3 を 5 で割った余り)$
$4+3=7$ なので $5$ で割った余りは $2$
$a+b$ を $5$ で割った余りは $2$
(2)
$(ab を 5 で割った余り)=(余りの積 4\cdot3 を 5 で割った余り)$
$4\cdot3=12$ なので $5$ で割った余りは $2$
$ab$ を $5$ で割った余りは $2$
これがマスターできたら,計算が楽だね!
まとめ
● 割り算と商・余り
$(割られる数)=(割る数)\times(商)+(余り)$
● 余りの範囲
$0≦(余り)<(割る数)$
問題
$-26=4\cdot(-7)+2$
余りは $2$
(1) $a+b$
(2) $ab$
(3) $3a+2b$
(4) $a-b$
$a$,$b$ は整数 $k$,$l$ を用いて
$a=6k+3$,$b=6l+4$ と表せる
(1)
$a+b=(6k+3)+(6l+4)$
$=6k+6l+7$
$=6k+6l+6+1$
$=6(k+l+1)+1$
$k+l+1$ は整数なので
$a+b$ は $6\cdot(整数)+1$ で表される
よって $a+b$ を $6$ で割った余りは $1$
(2)
$ab=(6k+3)(6l+4)$
$=6^2kl+6\cdot4k+6\cdot3l+12$
$=6^2kl+6\cdot4k+6\cdot3l+6\cdot2$
$=6(6kl+4k+3l+2)$
$6kl+4k+3l+2$ は整数なので
$ab$ は $6\cdot(整数)$ で表される
よって $ab$ を $6$ で割った余りは $0$
(3)
$3a+2b=3(6k+3)+2(6l+4)$
$=6\cdot3k+6\cdot2l+17$
$=6k+6l+12+5$
$=6(k+l+2)+5$
$k+l+2$ は整数なので
$3a+2b$ は $6\cdot(整数)+5$ で表される
よって $3a+2b$ を $6$ で割った余りは $5$
(4)
$a-b=(6k+3)-(6l+4)$
$=6k-6l-1$
$=6k-6l-6+5$
$=6(k-l-1)+5$
$k-l-1$ は整数なので
$a-b$ は $6\cdot(整数)+5$ で表される
よって $a-b$ を $6$ で割った余りは $5$
<簡単に求める方法>
(1)
$(a+b を 6 で割った余り)=(余りの和 3+4 を 6 で割った余り)$
$3+4=7$ なので $6$ で割った余りは $1$
$a+b$ を $6$ で割った余りは $1$
(2)
$(ab を 6 で割った余り)=(余りの積 3\cdot4 を 6 で割った余り)$
$3\cdot4=12$ なので $6$ で割った余りは $0$
$ab$ を $0$ で割った余りは $0$
(3)
$(3a+2b を 6 で割った余り)=(余り 3\cdot3+2\dots4 を 6 で割った余り)$
$3\cdot3+2\cdot4=17$ なので $6$ で割った余りは $5$
$3a+2b$ を $6$ で割った余りは $5$
(4)
$(a-b を 6 で割った余り)=(余りの差 3-4 を 6 で割った余り)$
$3-4=-1$ なので $6$ で割った余りは $5$
$a-b$ を $6$ で割った余りは $5$
余りを求めるには,割る数でまとめることがポイント!
余りをもつ数の表現方法もマスターしよう!
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