漸化式③

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数列

漸化式とは

漸化式 … 前の項から次の項を求めるための関係式

数列において,初項と隣り合う $2$ 項間の関係(漸化式)が分かれば,すべての項が定まる

例えば

\begin{eqnarray} &[1]& a_1=1 \\\\ &[2]& a_{n+1}=2a_n (n=1,2,3,\cdots\cdots) \end{eqnarray}

 $[2]$ の式に $n=1$ を代入すると

$a_2=2a_1=2\cdot1=2$

 $[2]$ の式に $n=2$ を代入すると

$a_3=2a_2=2\cdot2=4$

 $[2]$ の式に $n=3$ を代入すると

$a_4=2a_3=2\cdot4=8$

というように,漸化式により前後の関係が分かれば,初項から次の項を順に求めることができる

漸化式の基本パターン

初項と漸化式が与えられた場合に一般項を求めてみよう!

以下の4パターンは確実に求められるように練習しよう!

漸化式の基本パターン

 ① $a_{n+1}=a_n+d$ 公差 $d$ の等差数列

 ② $a_{n+1}=ra_n$  公比 $r$ の等比数列

 ③ $a_{n+1}=a_n+(nの式)$ ($n$ の式)が $\{a_n\}$ の階差数列

 ④ $a_{n+1}=pa_n+q$

 

①と②について詳しくはこれ↓

漸化式①
漸化式の基本!等差数列と等比数列の漸化式をマスターしよう!

③について詳しくはこれ↓

漸化式②
漸化式の基本!階差数列から一般項を求めよう!

漸化式の形を見たら解き方が分かるようにしよう!

④ $a_{n+1}=pa_n+q$

この漸化式は以下の手順で解ける!

$a_{n+1}=pa_n+q$ の解き方

 1 $a_{n+1}=pa_n+q$ を $a_{n+1}-c=p(a_n-c)$ に式変形する

 2 $a_n-c$ を $b_n$ に置き換える

 3 $b_{n+1}=pb_n$ を解いて $b_n$ を求める

 4 $a_n-c=b_n$ を用いて $a_n$ を求める

式変形の方法

$a_{n+1}=pa_n+q$ を $a_{n+1}-c=p(a_n-c)$ に式変形する方法を学ぼう!

\begin{eqnarray} a_{n+1} &=& pa_n+q \\ -\large{)} c &=& cp+q \cdots\cdots ①\\ \hline a_{n+1}-c &=& p(a_n-c) \end{eqnarray}

$a_n$ と $a_{n+1}$ を $c$ に置き換えた式①を解くと,$c$ の値が求まる

式①のことを 特性方程式 という

手順をまとめると以下の通り

 

式変形の手順

 1 $c = cp+q$ (特性方程式)を解いて $c$ の値を求める

 2 $a_{n+1}-c = p(a_n-c)$ に $c$ の値を入れる

 

文字ばっかりで分かりにくい…

具体例で確認してみよう!

 次の式を $a_{n+1}-c=p(a_n-c)$ の形に式変形せよ。

 (1) $a_{n+1}=2a_n-3$

 (2) $a_{n+1}=-3a_n-4$

 (1) $a_{n+1}=2a_n-3$

   $c=2c-3$ を解くと  $c=3$

   $a_{n+1}=2a_n-3$ を式変形すると

$a_{n+1}-3=2(a_n-3)$

   もとの式と等しいか確認すると

$a_{n+1}-3=2(a_n-3)$

$a_{n+1}-3=2a_n-6$

$a_{n+1}=2a_n-3$

 (2) $a_{n+1}=-3a_n-4$

   $c=-3c-4$ を解くと  $c=-1$

   $a_{n+1}=-3a_n-4$ を式変形すると

$a_{n+1}+1=-3(a_n+1)$

   もとの式と等しいか確認すると

$a_{n+1}+1=-3(a_n+1)$

$a_{n+1}+1=-3a_n-3$

$a_{n+1}=-3a_n-4$

 

式変形をした後に,もとの式と等しいか確認すると確実だね!

 

問題

 $a_1=3$,$a_{n+1}=3a_n-4$ によって定められる数列 $\{a_n\}$

1 $a_{n+1}=3a_n-4$ を $a_{n+1}-c=p(a_n-c)$ に式変形する

  $c=3c-4$ を解くと  $c=2$

  よって

$a_{n+1}-2=3(a_n-2)$

2 $a_n-c$ を $b_n$ に置き換える

  $a_n-2=b_n$ とすると,$a_{n+1}-2=b_{n+1}$ なので

$b_{n+1}=3b_n$

3 $b_{n+1}=pb_n$ を解いて $b_n$ を求める

  $a_n-2=b_n$ より

$b_1=a_1-2=3-2=1$

  $b_{n+1}=3b_n$ より,数列 $\{b_n\}$ は初項 $1$,公比 $3$ の等比数列

$b_n=1\cdot3^{n-1}=3^{n-1}$

4 $a_n-c=b_n$ を用いて $a_n$ を求める

  $a_n-2=b_n$ より

$a_n-2=3^{n-1}$

$a_n=3^{n-1}+2$

 

手順通り解いたら必ず解ける!

まとめ

● 漸化式とは

 数列において前の項から次の項を求めるための関係式

● 漸化式の基本パターン

 ① $a_{n+1}=a_n+d$ 公差 $d$ の等差数列

 ② $a_{n+1}=ra_n$  公比 $r$ の等比数列

 ③ $a_{n+1}=a_n+(nの式)$  ($n$ の式)が $\{a_n\}$ の階差数列

 ④ $a_{n+1}=pa_n+q$

   1 $a_{n+1}=pa_n+q$ を $a_{n+1}-c=p(a_n-c)$ に式変形する

     $c$ の値は $c=pc+q$(特性方程式)を解くと求まる

   2 $a_n-c$ を $b_n$ に置き換える

   3 $b_{n+1}=pb_n$ を解いて $b_n$ を求める

   4 $a_n-c=b_n$ を用いて $a_n$ を求める

 

漸化式の中では出題されやすいので,解けるようにしよう!

数列 数学B
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