直線と平面の交点のベクトル(直方体)

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空間のベクトル

直線上の点

直線上の点

 直線 $OA$ 上に点 $B$ があるとき,実数 $k$ を用いて

$\overrightarrow{OB}=k\overrightarrow{OA}$

 と表すことができる

 

 $\overrightarrow{OA}$ を $k$ 倍に拡大または縮小したベクトルが $\overrightarrow{OB}$ なので

$\overrightarrow{OB}=k\overrightarrow{OA}$

平面上の点

$3$ 点でつくられる平面上にある点

 平面 $ABC$ 上に点 $P$ があるとき

$\overrightarrow{AP}=s\overrightarrow{AB}+t\overrightarrow{AC}$

 を満たす実数 $s$,$t$ が存在する

 

$\overrightarrow{AP}=s\overrightarrow{AB}+t\overrightarrow{AC}$

 

平面 $ABC$ における点 $A$ を始点とする $\overrightarrow{AB}$,$\overrightarrow{AC}$ を用いると

同じ平面上にある点 $P$ について,$\overrightarrow{AP}$ は

$\overrightarrow{AP}=□\overrightarrow{AB}+□\overrightarrow{AC}$

と1通りに表すことができる

 

始点を $B$ や $C$ にしてもよい

例えば

$\overrightarrow{CP}=s\overrightarrow{CA}+t\overrightarrow{CB}$

のように表すことができる

詳しくはこれ↓

同一平面上にある点
3点でつくられる平面上にある点に関してベクトルの式を作って問題を解こう!

直線と平面の交点のベクトル

直方体に関する問題

 下の図のような直方体において,対角線 $OG$ と平面 $ABC$ の交点を $P$ とする。 $\overrightarrow{OA}=\vec{a}$,$\overrightarrow{OB}=\vec{b}$,$\overrightarrow{OC}=\vec{c}$ とするとき,$\overrightarrow{OP}$ を $\vec{a}$,$\vec{b}$,$\vec{c}$ を用いて表せ。

 

 

考え方

 点 $P$ の条件を用いて $\overrightarrow{OP}$ を2通りで表して係数比較

 ① 点 $P$ は直線 $OG$ 上にある

 ② 点 $P$ は平面 $ABC$ 上にある

 

この考え方をおさえて問題を解いてみよう!

 点 $P$ は直線 $OG$ 上にあるので,

$\overrightarrow{OP}=k\overrightarrow{OG}$

 となる実数 $k$ がある

 ここで,

\begin{eqnarray} \overrightarrow{OG} &=& \overrightarrow{OA}+\overrightarrow{AD}+\overrightarrow{DG} \\\\ &=& \vec{a}+\vec{b}+\vec{c} \end{eqnarray}

 よって,

\begin{eqnarray} \overrightarrow{OP} &=& k\overrightarrow{OG} \\\\ &=& k(\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}) \\\\ &=& k\vec{a}+k\vec{b}+k\vec{c} \cdots\cdots ① \end{eqnarray}

 点 $P$ は平面 $ABC$ 上にあるので,

$\overrightarrow{AP}=s\overrightarrow{AB}+t\overrightarrow{AC}$

 となる実数 $s$,$t$ がある

 よって,

\begin{eqnarray} \overrightarrow{OP} &=& \overrightarrow{OA}+\overrightarrow{AP} \\\\ &=& \overrightarrow{OA}+s\overrightarrow{AB}+t\overrightarrow{AC} \\\\ &=& \vec{a}+s(\vec{b}-\vec{a})+t(\vec{c}-\vec{a}) \\\\ &=& (1-s-t)\vec{a}+s\vec{b}+t\vec{c} \cdots\cdots ② \end{eqnarray}

 $\vec{a}$,$\vec{b}$,$\vec{c}$ は1次独立なので,

 ($O$,$A$,$B$,$C$ は同じ平面上にないので)

 $\overrightarrow{OP}$ の表し方はただ1通りである

 ①,②より

$k=1-s-t$, $k=s$, $k=t$

 $s=k$,$t=k$ を $k=1-s-t$ に代入すると

$k=1-k-k$

$\displaystyle{k=\frac{1}{3}}$

 ①に代入すると

$\displaystyle{\overrightarrow{OP}=\frac{1}{3}\vec{a}+ \frac{1}{3}\vec{b}+ \frac{1}{3}\vec{c}}$

 

平面ベクトルの「2直線の交点におけるベクトル」と似ているね!

これも『求めたいベクトルを2通りで表して係数比較』という解き方だね!

まとめ

● 直線上の点

 直線 $OA$ 上に点 $B$ があるとき,実数 $k$ を用いて

$\overrightarrow{OB}=k\overrightarrow{OA}$

 と表すことができる

● 平面上の点

 平面 $ABC$ 上に点 $P$ があるとき

$\overrightarrow{AP}=s\overrightarrow{AB}+t\overrightarrow{AC}$

 を満たす実数 $s$,$t$ が存在する

● 直線と平面の交点におけるベクトル

 求めたいベクトルを2通りで表して係数比較して解く

 

空間のベクトルの分野において,超重要な問題!

しっかり練習してマスターしよう!

空間のベクトル 数学B
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