1次不定方程式③

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数学A

1次不定方程式の基本を復習しよう!

1次不定方程式の基本はこれ↓

1次不定方程式②
1次不定方程式の解き方の手順を整理しよう!

$ax+by=c$ の $a$ と $b$ の値が大きい場合の1次不定方程式の解き方を学ぼう!

1次不定方程式 $ax+by=c$ の解き方の手順

1次不定方程式 $ax+by=c$ の解き方の手順
手順1 $a□+b□=c$ を作る
    $ax+by=c$ の整数解の1つを求める
手順2 方程式を手順1の式で引く
手順3 $a(x-□)+b(y-□)=0$ を解く

$ax+by=c$ の $a$ と $b$ の値が大きいと,手順1の式を作るのが難しくなる!

手順1の式を作るコツを学ぼう!

1次不定方程式 $ax+by=c$ の整数解を1つ見つける方法

方程式 $29x+22y=3$ の整数解をすべて求めよ。

手順1 $29\cdot□+22\cdot□=3$ の式を作る

    $29x+22y=3$ の整数解の1つを求める

倍数を書き並べて探す

$29$ の倍数と $22$ の倍数を書き並べる

$29,58,87,116,145,174,203,232,261,290,\cdots$

$22,44,66,88,110,132,154,176,198,220,242,264,\cdots$

$29\cdot□+22\cdot□=3$ の式を作りたいので,

差が $3$ になる組合せを探す

$29,58,87,116,145,174,203,232,$$261$$,290,\cdots$

$22,44,66,88,110,132,154,176,198,220,242,$$264$$,\cdots$

$261=29\cdot9$
$264=22\cdot12$ より

$29\cdot(-9)+22\cdot12=3$

$a□+b□=1$ を作って両辺にかける

$29$ の倍数と $22$ の倍数を書き並べる

$29,58,87,116,145,\cdots$

$22,44,66,88,110,132,\cdots$

差が $1$ になる組合せを探すと

$29,58,$$87$$,116,145,\cdots$

$22,44,66,$$88$$,110,132,\cdots$

$87=29\cdot3$
$88=22\cdot4$ より

$29\cdot(-3)+22\cdot4=1$

両辺に $3$ をかけると

$29\cdot(-3)\cdot3+22\cdot4\cdot3=3$

$29\cdot(-9)+22\cdot12=3$

互除法を使う

$29$ と $22$ について互除法を使うと

$29=22\cdot1+7$
$22=7\cdot3+1$

それぞれ式変形すると

$7=29-22\cdot1$ $\cdots$ ①
$1=22-7\cdot3$ $\cdots$ ②

②より

$1=22-$$7$$\cdot3$

 $=22-($$29-22\cdot1$$)\cdot3$ (①を代入)

 $=22-29\cdot3+22\cdot3$
 $=29\cdot(-3)+22\cdot4$

よって 

$29\cdot(-3)+22\cdot4=1$

両辺に $3$ をかけると

$29\cdot(-3)\cdots3+22\cdot4\cdots3=3$

$29\cdot(-9)+22\cdot12=3$

 

まずは書き並べてみて,見つからないときは互除法を使おう!

手順2 方程式を手順1の式で引く

$29x+22y=3$ $\cdots$ ①

$29\cdot3+22\cdot(-4)=3 $\cdots$ ②

①ー②より $29(x-3)+22\{y-(-4)\}=0$

すなわち $29(x-3)+22(y+4)=0$

 

手順3 $a(x-□)+b(y-□)=0$ を解く

式変形すると $29(x-3)=-22(y+4)$

$29$ と $22$ は互いに素なので

$k$ を整数とすると $x-3=22k$,$y+4=-29k$

よって $x=22k+3$,$y=-29k-4$

手順1の式が作れたら,同じように解けるね!

 

まとめ

● 1次不定方程式 $ax+by=1$ の解き方

 手順1 $a□+b□=c$ を作る

     $ax+by=c$ の整数解の1つを求める

 手順2 方程式を手順1の式で引く

 手順3 $a(x-□)+b(y-□)=0$ を解く

● $a□+b□=c$ の作り方

  • 倍数を書き並べて探す
  • $a□+b□=1$ を作って両辺を $c$ 倍する
  • 互除法を用いる

問題

方程式 $43x+32y=2$ の整数解をすべて求めよ。

手順1 $43\cdot□+32\cdot□=2$ の式を作る

    $43x+32y=2$ の整数解の1つを求める

$43$ の倍数と $32$ の倍数を書き並べると

$43,86,$$129$$,172,\cdots$

$32,64,96,$$128$$,160,\cdots$

差が $1$ になるのは

$129=43\cdot3$
$128=32\cdot4$ より

$43\cdot3+32\cdot(-4)=1$

両辺を $2$ 倍して

$43\cdot6+32\cdot(-8)=2$

 

手順2 方程式を手順1の式で引く

$43x+32y=2$ $\cdots$ ①

$43\cdot6+32\cdot(-8)=2$ $\cdots$ ②

①ー②より $43(x-6)+32\{y-(-8)\}=0$

すなわち $43(x-6)+32(y+8)=0$

 

手順3 $a(x-□)+b(y-□)=0$ を解く

式変形すると $43(x-6)=-32(y+8)$

$43$ と $32$ は互いに素なので

$k$ を整数とすると $x-6=32k$,$y+8=-43k$

よって $x=32k+6$,$y=-43k-8$

 

1次不定方程式を確実に解けるようにしっかり練習しよう!

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