1次不定方程式の基本を復習しよう!
1次不定方程式の基本はこれ↓
$ax+by=c$ の $a$ と $b$ の値が大きい場合の1次不定方程式の解き方を学ぼう!
1次不定方程式 $ax+by=c$ の解き方の手順
$ax+by=c$ の整数解の1つを求める
手順2 方程式を手順1の式で引く
手順3 $a(x-□)+b(y-□)=0$ を解く
$ax+by=c$ の $a$ と $b$ の値が大きいと,手順1の式を作るのが難しくなる!
手順1の式を作るコツを学ぼう!
1次不定方程式 $ax+by=c$ の整数解を1つ見つける方法
手順1 $29\cdot□+22\cdot□=3$ の式を作る
$29x+22y=3$ の整数解の1つを求める
倍数を書き並べて探す
$29$ の倍数と $22$ の倍数を書き並べる
$29,58,87,116,145,174,203,232,261,290,\cdots$
$22,44,66,88,110,132,154,176,198,220,242,264,\cdots$
$29\cdot□+22\cdot□=3$ の式を作りたいので,
差が $3$ になる組合せを探す
$29,58,87,116,145,174,203,232,$$261$$,290,\cdots$
$22,44,66,88,110,132,154,176,198,220,242,$$264$$,\cdots$
$261=29\cdot9$
$264=22\cdot12$ より
$29\cdot(-9)+22\cdot12=3$
$a□+b□=1$ を作って両辺にかける
$29$ の倍数と $22$ の倍数を書き並べる
$29,58,87,116,145,\cdots$
$22,44,66,88,110,132,\cdots$
差が $1$ になる組合せを探すと
$29,58,$$87$$,116,145,\cdots$
$22,44,66,$$88$$,110,132,\cdots$
$87=29\cdot3$
$88=22\cdot4$ より
$29\cdot(-3)+22\cdot4=1$
両辺に $3$ をかけると
$29\cdot(-3)\cdot3+22\cdot4\cdot3=3$
$29\cdot(-9)+22\cdot12=3$
互除法を使う
$29$ と $22$ について互除法を使うと
$29=22\cdot1+7$
$22=7\cdot3+1$
それぞれ式変形すると
$7=29-22\cdot1$ $\cdots$ ①
$1=22-7\cdot3$ $\cdots$ ②
②より
$1=22-$$7$$\cdot3$
$=22-($$29-22\cdot1$$)\cdot3$ (①を代入)
$=22-29\cdot3+22\cdot3$
$=29\cdot(-3)+22\cdot4$
よって
$29\cdot(-3)+22\cdot4=1$
両辺に $3$ をかけると
$29\cdot(-3)\cdots3+22\cdot4\cdots3=3$
$29\cdot(-9)+22\cdot12=3$
まずは書き並べてみて,見つからないときは互除法を使おう!
手順2 方程式を手順1の式で引く
$29x+22y=3$ $\cdots$ ①
$29\cdot3+22\cdot(-4)=3 $\cdots$ ②
①ー②より $29(x-3)+22\{y-(-4)\}=0$
すなわち $29(x-3)+22(y+4)=0$
手順3 $a(x-□)+b(y-□)=0$ を解く
式変形すると $29(x-3)=-22(y+4)$
$29$ と $22$ は互いに素なので
$k$ を整数とすると $x-3=22k$,$y+4=-29k$
よって $x=22k+3$,$y=-29k-4$
手順1の式が作れたら,同じように解けるね!
まとめ
● 1次不定方程式 $ax+by=1$ の解き方
手順1 $a□+b□=c$ を作る
$ax+by=c$ の整数解の1つを求める
手順2 方程式を手順1の式で引く
手順3 $a(x-□)+b(y-□)=0$ を解く
● $a□+b□=c$ の作り方
- 倍数を書き並べて探す
- $a□+b□=1$ を作って両辺を $c$ 倍する
- 互除法を用いる
問題
手順1 $43\cdot□+32\cdot□=2$ の式を作る
$43x+32y=2$ の整数解の1つを求める
$43$ の倍数と $32$ の倍数を書き並べると
$43,86,$$129$$,172,\cdots$
$32,64,96,$$128$$,160,\cdots$
差が $1$ になるのは
$129=43\cdot3$
$128=32\cdot4$ より
$43\cdot3+32\cdot(-4)=1$
両辺を $2$ 倍して
$43\cdot6+32\cdot(-8)=2$
手順2 方程式を手順1の式で引く
$43x+32y=2$ $\cdots$ ①
$43\cdot6+32\cdot(-8)=2$ $\cdots$ ②
①ー②より $43(x-6)+32\{y-(-8)\}=0$
すなわち $43(x-6)+32(y+8)=0$
手順3 $a(x-□)+b(y-□)=0$ を解く
式変形すると $43(x-6)=-32(y+8)$
$43$ と $32$ は互いに素なので
$k$ を整数とすると $x-6=32k$,$y+8=-43k$
よって $x=32k+6$,$y=-43k-8$
1次不定方程式を確実に解けるようにしっかり練習しよう!
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