1次不等式は簡単だと思っているなら必見!
1次不等式は,1次方程式と解き方がほとんど同じ!
しかし,
『負の数をかけたりわったりしたときに,不等号の向きが逆になる』
ところは要注意!
この基本をおさえておかないと,痛い目をみる!
教科書には書いていないかもしれない重要な問題も解説しています!
不等式
不等号を使って表した式を不等式と言うよ!
不等号の種類は【$<$】【$>$】【$≦$】【$≧$】の $4$ 種類あるよ!
$3$ と $4$ を使って不等式を作ってみよう!
$3<4$ と $4>3$ だよね!
その通り!
不等号を使うときは「大きい方に開く」と覚えておこう!
$a<b$ という式があったら、$b$ の方に開いているから、
$a$ より $b$ の方が大きいと考えよう!
$a≦b$ は、「 $a=b$ または $a<b$ 」という意味で、
$a$ と $b$ は同じか、$a$ より $b$ の方が大きいということだよ!
不等式の性質
不等式は等式と同じような計算ができるけど、
1つだけ気を付けないといけない性質があるよ!
両辺に負の数をかけたりわったりすると不等号の向きが変わることだよね?
そうだね!
$2<4$ の両辺に $2$ をかけたら $4<8$
$2<4$ の両辺を $2$ でわったら $1<2$
正の数だと向きが変わらないけど、
$2<4$ の両辺に $-2$ をかけたら $-4>-8$
$2<4$ の両辺を $-2$ でわったら $-1>-2$
負の数だと向きが変わるよ!
不等号の向きを変えることを忘れちゃうことがあるから注意しないとね!
1次不等式
不等式の性質を使って1次不等式を解いてみよう!
例題1 次の $1$ 次不等式を解け。
(1) $-2x-1<3$
(2) $\displaystyle{\frac{1}{3}x+1≦\frac{1}{2}x}$
(1)
$-2x-1<3$
$-2x<4$
$ x$$>$$-2$
(2)
$\displaystyle{\frac{1}{3}x+1≦\frac{1}{2}x}$
両辺に $6$ をかけて
$2x+6≦3x$
$-x≦-6$
$x$$≧$$6$
無理数を含む1次不等式
次は無理数を含む1次不等式を解いてみよう!
$(\sqrt{2}-2)x<2$ はどうやって解くか分かる?
両辺を $(\sqrt{2}-2)$ でわったらいいのかな?
正解!
$\sqrt{2}x-2x<2$ のように左辺を展開しないように!
両辺を $(\sqrt{2}-2)$ でわるときに気を付けることは?
分かった!
$\sqrt{2}=1.41421356…$ だから
$(\sqrt{2}-2)$ が負の数になる!
不等号の向きを変えないといけない!
その通り!
無理数が含まれている数でわるときには、
その数が正か負かを気にするように!
そのときに使えるのが、整数部分の話だよ!
整数部分が分かれば正か負かの判断がしやすいよ!
$(\sqrt{23}-5)$ が正か負かを
$\sqrt{23}$ の整数部分に注目して考えてみよう!
$\sqrt{16}<\sqrt{23}<\sqrt{25}$
$4<\sqrt{23}<5$
$\sqrt{23}$ の整数部分は $4$ だから
$(\sqrt{23}-5)$ は負の数だ!
整数部分の話をきちんと覚えていたね!
これで無理数が含まれている $1$ 次不等式も解けるよ!
例題2 次の $1$ 次不等式を解け。
(1) $(\sqrt{2}-2)x<2$
(2) $\sqrt{5}x-1<3x$
(1)
$(\sqrt{2}-2)x<2$
両辺を$(\sqrt{2}-2)$でわって
$x$$>$$\displaystyle{\frac{2}{\sqrt{2}-2}}$
$\displaystyle{x>\frac{2(\sqrt{2}+2)}{(\sqrt{2}-2)(\sqrt{2}+2)}}$
$\displaystyle{x>\frac{2(\sqrt{2}+2)}{-2}}$
$x>-\sqrt{2}-2$
(2)
$\sqrt{5}x-1<3x$
$\sqrt{5}x-3x<1$
$(\sqrt{5}-3)x<1$
両辺を$(\sqrt{5}-3)$でわって
$x$$>$$\displaystyle{\frac{1}{\sqrt{5}-3}}$
$\displaystyle{x>\frac{1}{\sqrt{5}-3}}$
$\displaystyle{x>\frac{\sqrt{5}+3}{(\sqrt{5}-3)(\sqrt{5}+3)}}$
$\displaystyle{x>\frac{\sqrt{5}+3}{-4}}$
$\displaystyle{x>-\frac{\sqrt{5}+3}{4}}$
分母に $\sqrt{ }$ があるときは有理化を忘れないようにしよう!
まとめ
$1$ 次不等式を解くときにポイント
- 両辺に負の数をかけたりわったりすると不等号の向きが変わる
- 無理数が含まれる数でわる場合は,正か負か必ず確認する
問題
問題1 次の $1$ 次不等式を解け。
(1) $\displaystyle{\frac{1}{2}x-\frac{1}{6}>\frac{2}{3}x-\frac{1}{2}}$
(2) $2x<\sqrt{5}x-1$
解答
(1)
$\displaystyle{\frac{1}{2}x-\frac{1}{6}>\frac{2}{3}x-\frac{1}{2}}$
両辺に $6$ をかけて
$3x-1>4x-3$
$-x>-2$
$x$$<$$2$
(2)
$2x<\sqrt{5}x-1$
$2x-\sqrt{5}x<-1$
$(2-\sqrt{5})x<-1$
$x$$>$$\displaystyle{-\frac{1}{2-\sqrt{5}}}$
$\displaystyle{x>-\frac{2+\sqrt{5}}{(2-\sqrt{5})(2+\sqrt{5})}}$
$\displaystyle{x>-\frac{2+\sqrt{5}}{-1}}$
$x>2+\sqrt{5}$
不等式は負の数をかけたりわったりするときは
十分注意して計算しよう!
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