2次不等式の解が「すべての実数」や「解はない」となる問題
あなたも苦手ではないでしょうか?
2次不等式は『2次関数を用いて解く』という鉄則を理解しておけば,
どんな2次不等式でも必ず解くことができる!
2次関数がx軸交わらない場合の2次不等式について考えてみましょう!
2次不等式の解き方
2次関数を解くときに気を付けることは?
2次関数を使って解くこと!
そうだね!
2次関数と $x$ 軸の共有点を求めることが必要不可欠だったね!
2次関数と $x$ 軸が異なる2点で交わる場合
2次関数と $x$ 軸が接する場合
2次不等式を解くときは、2次関数と $x$ 軸の位置関係が重要になってくるよ!
2次関数が $x$ 軸と交わらない場合の2次不等式
$y=x^2-x+2$ とおくと
$y=0$ を代入して
$x^2-x+2=0$
$\displaystyle{x=\frac{1±\sqrt{-7}}{2}}$
$\displaystyle{\frac{1±\sqrt{-7}}{2}}$ は虚数なので $x$ 軸上にとれない
$y=x^2-x+2$ は $x$ 軸と交わらない
2次不等式 $x^2-x+2<0$ を解くには
$y<0$ すなわち $x$ 軸より下側
に2次関数がある $x$ の範囲を求める
$y<0$ を満たす $x$ の範囲を求めると
解はない
2次関数 $y=x^2-x+2$ とおく
2次不等式 $x^2-x+2>0$ を解くには
$y>0$ すなわち $x$ 軸より上側
に2次関数がある $x$ の範囲を求める
$y>0$ を満たす $x$ の範囲を求めると
すべての実数
2次関数が $x$ 軸と交わらないことを調べる方法
2次関数に $y=0$ を代入して虚数解が出た場合は
$x$ 軸と交わらないことが分かる!
他にも $x$ 軸と交わらないことを説明する方法はあるよ!
判別式 $D$ を使う
2次関数 $y=x^2-x+2$
$y=0$ を代入して $x^2-x+2=0$
判別式を $D$ とすると
$D=1-4・1・2=-7$
$D<0$ より
2次関数は $x$ 軸と交わらない
平方完成をして頂点を求める
$y=x^2-x+2$
\begin{eqnarray} y &=& x^2-x+2 \\ &=& \left(x-\frac{1}{2}\right)^2+\frac{7}{4} \\ \end{eqnarray}頂点が $\displaystyle{\left(\frac{1}{2},\frac{7}{4}\right)}$
頂点の $y$ 座標が正で下に凸なので $x$ 軸と交わらない
まとめ
2次関数 $y=ax^2+bx+c$ $(a>0)$ が $x$ 軸と交わらないとき
●$ax^2+bx+c<0$
$x$ 軸より下側なので 「解はない」
●$ax^2+bx+c>0$
$x$ 軸より上側なので 「すべての実数」
2次関数 $y=ax^2+bx+c$ $(a>0)$ が $x$ 軸と交わらない場合
- $y=0$ を代入して2次方程式を解くと虚数解が求まるとき
- $y=0$ を代入して判別式 $D$ が $D<0$ となるとき
- 平方完成をして求めた頂点の $y$ 座標が正のとき
問題
問題 次の2次不等式を解け。
(1) $x^2-2x+3<0$
(2) $2x^2-x+3>0$
解答
(1) $x^2-2x+3<0$
$y=x^2-2x+3$ とおくと
頂点は $(1,2)$
頂点の $y$ 座標が正なので
$y=x^2-2x+3$ は $x$ 軸と交わらない
2次不等式 $x^2-2x+3<0$ を解くには
$y<0$ すなわち $x$ 軸より下側
に2次関数がある $x$ の範囲を求める
$y<0$ を満たす $x$ の範囲を求めると
解はない
(2) $2x^2-x+3>0$
$y=2x^2-x+3$ とおくと
$y=0$ を代入して
$2x^2-x+3=0$
判別式を $D$ とすると
$D=(-1)^2-4・2・3=-23$
$D<0$ より
$y=2x^2-x+3$ は $x$ 軸と交わらない
2次不等式 $2x^2-x+3>0$ を解くには
$y>0$ すなわち $x$ 軸より上側
に2次関数がある $x$ の範囲を求める
$y>0$ を満たす $x$ の範囲を求めると
すべての実数
🔰平方完成|x²の係数が1以外の場合
🔰定義域における最大・最小
🔰基本形と一般形の利用
🔰2次方程式の実数解の個数と判別式
🔰2次関数のグラフとx軸の位置関係
🔰2次不等式|解の公式
🔰2次不等式|接する
🔰2次不等式|x²の係数が負
🔵絶対不等式
🔰基本…まずはこの記事から!
🔵標準…基本問題や公式の理解度が重要!
🔴応用…場合分けなど思考力が要求される!
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