2直線の交点におけるベクトル

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平面上のベクトル

ベクトルの最重要「2直線の交点におけるベクトル」を学ぼう!

1次独立なベクトル

1次独立とは
 $0$ ではない2つのベクトル $\vec{a}$,$\vec{b}$ が平行でないとき,$\vec{a}$ と $\vec{b}$ は1次独立という

$\vec{a}$ と $\vec{b}$ は1次独立

ポイント
 平面上にある任意のベクトル $\vec{p}$ は1次独立な2つのベクトル $\vec{a}$,$\vec{b}$ を用いて表すことができる。また,その表し方は1通りに定まる。

$\vec{p}=s\vec{a}+t\vec{b}$

1次独立な2つのベクトルを用いて平面上のベクトルを表したとき,表し方は1通りに定まる!

この後,使うので覚えておこう!

内分点におけるベクトル

$\triangle ABC$ において,線分 $AB$ を $m:n$ に内分する点を $P$ とするとき

$\displaystyle{\overrightarrow{OP}=\frac{n\overrightarrow{OA}+m\overrightarrow{OB}}{m+n}}$

「内分点におけるベクトル」詳しくはこれ↓

内分点と外分点におけるベクトル
内分点と外分点におけるベクトルを表す方法を学ぼう!

2直線の交点におけるベクトル①

 $\triangle OAB$ において,辺 $OA$ の中点を $C$,辺 $OB$ を $1:2$ に内分する点を $D$ とし,線分 $BC$ と線分 $AD$ の交点を $P$ とする。$\overrightarrow{OA}=\vec{a}$,$\overrightarrow{OB}=\vec{b}$ とするとき,$\overrightarrow{OP}$ を $\vec{a}$ と $\vec{b}$ を用いて表せ。

どうやって解けばいいのかな?

問題の考え方を整理しておこう!

考え方

 $P$ は線分 $AD$ の内分点なので,$AP:PD$ の比をおいて $\overrightarrow{OP}$ を表す

 $P$ は線分 $BC$ の内分点なので,$BP:PC$ の比をおいて $\overrightarrow{OP}$ を表す

 $\overrightarrow{OP}$ の表し方は1通りなので,$\vec{a}$ と $\vec{b}$ の係数を比較する

$\overrightarrow{OP}$ を2通りで表して係数比較!

解き方は分かったけど,比のおき方はどうやっておくの?

比のおき方もコツがあるよ!

比のおき方のポイント
 和が1になるように比をおく

例えば

$\triangle ABC$ について,線分 $AB$ 上に点 $P$ があるとき

$AP:PB=s:(1-s)$ とおくと($s$ は実数)

\begin{eqnarray} \overrightarrow{OP} &=& \frac{(1-s)\overrightarrow{OA}+s\overrightarrow{OB}}{s+(1-s)} \\\\ &=& (1-s)\overrightarrow{OA}+s\overrightarrow{OB} \end{eqnarray}

和が1になるように比をおくことで,分母が1になるから分数にならないね!

その通り!

計算が楽になるんだ!

じゃあ問題を解いてみよう!

 $\triangle OAB$ において,辺 $OA$ の中点を $C$,辺 $OB$ を $1:2$ に内分する点を $D$ とし,線分 $BC$ と線分 $AD$ の交点を $P$ とする。$\overrightarrow{OA}=\vec{a}$,$\overrightarrow{OB}=\vec{b}$ とするとき,$\overrightarrow{OP}$ を $\vec{a}$ と $\vec{b}$ を用いて表せ。

点 $C$ は辺 $OA$ の中点なので

$\displaystyle{\overrightarrow{OC}=\frac{1}{2}\vec{a}}$

点 $D$ は辺 $OB$ を $1:2$ に内分する点なので

$\displaystyle{\overrightarrow{OD}=\frac{1}{3}\vec{b}}$

$AP:PD=s:(1-s)$ とすると ($s$ は実数)

\begin{eqnarray} \overrightarrow{OP} &=& \frac{(1-s)\overrightarrow{OA}+s\overrightarrow{OD}}{s+(1-s)} \\\\ &=& (1-s)\overrightarrow{OA}+s\overrightarrow{OD} \\\\ &=& (1-s)\vec{a}+\frac{1}{3}s\vec{b} \cdots\cdots ① \end{eqnarray}

$BP:PC=t:(1-t)$ とすると ($t$ は実数)

\begin{eqnarray} \overrightarrow{OP} &=& \frac{t\overrightarrow{OC}+(1-t)\overrightarrow{OB}}{(1-t)+t} \\\\ &=& t\overrightarrow{OC}+(1-t)\overrightarrow{OB} \\\\ &=& \frac{1}{2}t\vec{a}+(1-t)\vec{b} \cdots\cdots ② \end{eqnarray}

$\vec{a}$,$\vec{b}$ は一次独立なので,$\overrightarrow{OP}$ の表し方は1通りに定まる

①と②より,$\vec{a}$ と $\vec{b}$ の係数を比較して

\begin{cases} 1-s=\frac{1}{2}t \\\\ \frac{1}{3}s=1-t \end{cases}

これを解いて

$\displaystyle{s=\frac{3}{5}}$,$\displaystyle{t=\frac{4}{5}}$

①または②に代入して

$\displaystyle{\overrightarrow{OP}=\frac{2}{5}\vec{a}+\frac{1}{5}\vec{b}}$

 

2直線の交点におけるベクトル②

 $\triangle OAB$ において,辺 $OA$ の中点を $C$,辺 $AB$ を $1:2$ に内分する点を $D$ とし,線分 $BC$ と線分 $OD$ の交点を $P$ とする。$\overrightarrow{OA}=\vec{a}$,$\overrightarrow{OB}=\vec{b}$ とするとき,$\overrightarrow{OP}$ を $\vec{a}$ と $\vec{b}$ を用いて表せ。

この問題も,$\overrightarrow{OP}$ を2通りで表して係数比較!

1つは$BP:PC$ を比でおくのは分かるけど,もう1つはどうするの?

$O$,$P$,$D$ が一直線上に並ぶので,$\overrightarrow{OP}=k\overrightarrow{OD}$ という式を使おう!

考え方

 $P$ は線分 $BC$ の内分点なので,$BP:PC$ の比をおいて $\overrightarrow{OP}$ を表す

 $P$ は線分 $OD$ 上の点なので,$\overrightarrow{OP}=k\overrightarrow{OD}$ とおいて $\overrightarrow{OP}$ を表す

 $\overrightarrow{OP}$ の表し方は1通りなので,$\vec{a}$ と $\vec{b}$ の係数を比較する

 

点 $C$ は辺 $OA$ の中点なので

$\displaystyle{\overrightarrow{OC}=\frac{1}{2}\vec{a}}$

点 $D$ は辺 $AB$ を $1:2$ に内分する点なので

\begin{eqnarray} \overrightarrow{OD} &=& \frac{2\overrightarrow{OA}+\overrightarrow{OB}}{1+2} \\\\ &=& \frac{2}{3}\vec{a}+\frac{1}{3}\vec{b} \\\\ \end{eqnarray}

$BP:PC=t:(1-t)$ とすると ($t$ は実数)

\begin{eqnarray} \overrightarrow{OP} &=& \frac{t\overrightarrow{OC}+(1-t)\overrightarrow{OB}}{(1-t)+t} \\\\ &=& t\overrightarrow{OC}+(1-t)\overrightarrow{OB} \\\\ &=& \frac{1}{2}t\vec{a}+(1-t)\vec{b} \cdots\cdots ① \end{eqnarray}

点 $P$ は線分 $OD$ 上にあるので

$\overrightarrow{OP}=k\overrightarrow{OD}$ とすると($k$ は実数)

\begin{eqnarray} \overrightarrow{OP} &=& k\overrightarrow{OD} \\\\ &=& k(\frac{2}{3}\vec{a}+\frac{1}{3}\vec{b}) \\\\ &=& \frac{2}{3}k\vec{a}+\frac{1}{3}k\vec{b} \cdots\cdots ② \end{eqnarray}

$\vec{a}$,$\vec{b}$ は一次独立なので,$\overrightarrow{OP}$ の表し方は1通りに定まる

①と②より,$\vec{a}$ と $\vec{b}$ の係数を比較して

\begin{cases} \frac{1}{2}t=\frac{2}{3}k \\\\ 1-t=\frac{1}{3}k \end{cases}

これを解いて

$\displaystyle{t=\frac{4}{5}}$,$\displaystyle{k=\frac{3}{5}}$

①または②に代入して

$\displaystyle{\overrightarrow{OP}=\frac{2}{5}\vec{a}+\frac{1}{5}\vec{b}}$

まとめ

● 1次独立なベクトル

 $0$ ではない2つのベクトル $\vec{a}$,$\vec{b}$ が平行でないとき,$\vec{a}$ と $\vec{b}$ は1次独立という

● 平面上のベクトル

 1次独立な2つのベクトルを用いて平面上のベクトルを表したとき,表し方は1通りに定まる

● 2直線の交点におけるベクトル

 ベクトルを2通りで表して係数比較

 表し方は ①比をおく ②定数倍($k$ 倍) を用いる

 

2直線の交点におけるベクトルに関する問題は最重要!

必ずマスターしよう!

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