漸化式②

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数列

漸化式とは

漸化式 … 前の項から次の項を求めるための関係式

数列において,初項と隣り合う $2$ 項間の関係(漸化式)が分かれば,すべての項が定まる

例えば

\begin{eqnarray} &[1]& a_1=1 \\\\ &[2]& a_{n+1}=2a_n (n=1,2,3,\cdots\cdots) \end{eqnarray}

 $[2]$ の式に $n=1$ を代入すると

$a_2=2a_1=2\cdot1=2$

 $[2]$ の式に $n=2$ を代入すると

$a_3=2a_2=2\cdot2=4$

 $[2]$ の式に $n=3$ を代入すると

$a_4=2a_3=2\cdot4=8$

というように,漸化式により前後の関係が分かれば,初項から次の項を順に求めることができる

漸化式の基本パターン

初項と漸化式が与えられた場合に一般項を求めてみよう!

以下の4パターンは確実に求められるように練習しよう!

漸化式の基本パターン

 ① $a_{n+1}=a_n+d$ 公差 $d$ の等差数列

 ② $a_{n+1}=ra_n$  公比 $r$ の等比数列

 ③ $a_{n+1}=a_n+(nの式)$

 ④ $a_{n+1}=pa_n+q$

 

①と②について詳しくはこれ↓

漸化式①
漸化式の基本!等差数列と等比数列の漸化式をマスターしよう!

漸化式の形を見たら解き方が分かるようにしよう!

階差数列と一般項

数列 $\{a_n\}$ とその階差数列 $\{b_n\}$ について

$a_2=a_1+$$b_1$

$a_3=a_2+b_2=(a_1+b_1)+b_2=a_1+$$b_1+b_2$

$a_4=a_3+b_3=(a_1+b_1+b_2)+b_3=a_1+$$b_1+b_2+b_3$

したがって,$n≧2$ のとき

$a_n=a_1+$$b_1+b_2+b_3+\cdots\cdots+b_{n-1}$

これをΣを用いて表すと

$\displaystyle{a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}b_k}$

 

等比数列と一般項

 数列 $\{a_n\}$ の階差数列を $\{b_n\}$ とすると

$n≧2$ のとき   $\displaystyle{a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}b_k}$

階差数列について詳しくはこれ↓

階差数列
階差数列を用いてもとの数列の一般項を求めよう!

③ $a_{n+1}=a_n+(nの式)$

今回はこの漸化式を考えてみよう!

 $a_1=1$,$a_{n+1}=a_n+2n$ によって定められる数列 $\{a_n\}$

$n=1$ を代入すると  $a_2=a_1+2$

$n=2$ を代入すると  $a_3=a_2+4$

$n=3$ を代入すると  $a_4=a_3+6$

以上をまとめると,数列 $\{a_n\}$ は

$b_n=2n$ とすると,数列 $\{b_n\}$ は数列 $\{a_n\}$ の階差数列である

数列 $\{a_n\}$ の一般項を求めると

$n≧2$ のとき

\begin{eqnarray} a_n &=& a_1+\sum_{k=1}^{n-1}2k \\\\ &=& 1+2\cdot\frac{1}{2}(n-1)\{(n-1)+1\} \\\\ &=& 1+n(n-1) \\\\ &=& n^2-n+1 \\\\ \end{eqnarray}

  $n=1$ を代入すると  $a_1=1$

  よって,$a_n=n^2-n+1$ は $n=1$ のときも成り立つ

  したがって,   $a_n=n^2-n+1$

$a_{n+1}=a_n+(nの式)$ の($n$ の式)が数列 $\{a_n\}$ の階差数列となる!

③ $a_{n+1}=a_n+(nの式)$
 ($n$ の式)が数列 $\{a_n\}$ の階差数列である

 

問題を解いてみよう!

 次の条件によって定められる数列 $\{a_n\}$ の一般項を求めよ。

   $a_1=1$,$a_{n+1}=a_n+2^n$

数列 $\{2^n\}$ は数列 $\{a_n\}$ の階差数列である

数列 $\{a_n\}$ の一般項を求めると

$n≧2$ のとき

\begin{eqnarray} a_n &=& a_1+\sum_{k=1}^{n-1}2^k \\\\ &=& 1+\frac{2(2^{n-1}-1)}{2-1} \\\\ &=& 1+2^n-2 \\\\ &=& 2^n-1 \\\\ \end{eqnarray}

  $n=1$ を代入すると  $a_1=1$

  よって,$a_n=2^n-1$ は $n=1$ のときも成り立つ

  したがって,   $a_n=2^n-1$

 

階差数列から一般項を求めることができるなら簡単!

練習あるのみ!

まとめ

● 漸化式とは

 数列において前の項から次の項を求めるための関係式

● 漸化式の基本パターン

 ① $a_{n+1}=a_n+d$ 公差 $d$ の等差数列

 ② $a_{n+1}=ra_n$  公比 $r$ の等比数列

 ③ $a_{n+1}=a_n+(nの式)$  ($n$ の式)が $\{a_n\}$ の階差数列

 ④ $a_{n+1}=pa_n+q$

 

簡単に考えると,階差数列から一般項を求めるだけ!

数列 数学B
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