漸化式とは
漸化式 … 前の項から次の項を求めるための関係式
数列において,初項と隣り合う $2$ 項間の関係(漸化式)が分かれば,すべての項が定まる
例えば
\begin{eqnarray} &[1]& a_1=1 \\\\ &[2]& a_{n+1}=2a_n (n=1,2,3,\cdots\cdots) \end{eqnarray}$[2]$ の式に $n=1$ を代入すると
$a_2=2a_1=2\cdot1=2$
$[2]$ の式に $n=2$ を代入すると
$a_3=2a_2=2\cdot2=4$
$[2]$ の式に $n=3$ を代入すると
$a_4=2a_3=2\cdot4=8$
というように,漸化式により前後の関係が分かれば,初項から次の項を順に求めることができる
漸化式の基本パターン
初項と漸化式が与えられた場合に一般項を求めてみよう!
以下の4パターンは確実に求められるように練習しよう!
① $a_{n+1}=a_n+d$ 公差 $d$ の等差数列
② $a_{n+1}=ra_n$ 公比 $r$ の等比数列
③ $a_{n+1}=a_n+(nの式)$
④ $a_{n+1}=pa_n+q$
①と②について詳しくはこれ↓
漸化式の形を見たら解き方が分かるようにしよう!
階差数列と一般項
数列 $\{a_n\}$ とその階差数列 $\{b_n\}$ について
$a_2=a_1+$$b_1$
$a_3=a_2+b_2=(a_1+b_1)+b_2=a_1+$$b_1+b_2$
$a_4=a_3+b_3=(a_1+b_1+b_2)+b_3=a_1+$$b_1+b_2+b_3$
したがって,$n≧2$ のとき
$a_n=a_1+$$b_1+b_2+b_3+\cdots\cdots+b_{n-1}$
これをΣを用いて表すと
$\displaystyle{a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}b_k}$
数列 $\{a_n\}$ の階差数列を $\{b_n\}$ とすると
$n≧2$ のとき $\displaystyle{a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}b_k}$
階差数列について詳しくはこれ↓
③ $a_{n+1}=a_n+(nの式)$
今回はこの漸化式を考えてみよう!
$n=1$ を代入すると $a_2=a_1+2$
$n=2$ を代入すると $a_3=a_2+4$
$n=3$ を代入すると $a_4=a_3+6$
以上をまとめると,数列 $\{a_n\}$ は
$b_n=2n$ とすると,数列 $\{b_n\}$ は数列 $\{a_n\}$ の階差数列である
数列 $\{a_n\}$ の一般項を求めると
$n≧2$ のとき
\begin{eqnarray} a_n &=& a_1+\sum_{k=1}^{n-1}2k \\\\ &=& 1+2\cdot\frac{1}{2}(n-1)\{(n-1)+1\} \\\\ &=& 1+n(n-1) \\\\ &=& n^2-n+1 \\\\ \end{eqnarray}$n=1$ を代入すると $a_1=1$
よって,$a_n=n^2-n+1$ は $n=1$ のときも成り立つ
したがって, $a_n=n^2-n+1$
$a_{n+1}=a_n+(nの式)$ の($n$ の式)が数列 $\{a_n\}$ の階差数列となる!
問題を解いてみよう!
次の条件によって定められる数列 $\{a_n\}$ の一般項を求めよ。
$a_1=1$,$a_{n+1}=a_n+2^n$
数列 $\{2^n\}$ は数列 $\{a_n\}$ の階差数列である
数列 $\{a_n\}$ の一般項を求めると
$n≧2$ のとき
\begin{eqnarray} a_n &=& a_1+\sum_{k=1}^{n-1}2^k \\\\ &=& 1+\frac{2(2^{n-1}-1)}{2-1} \\\\ &=& 1+2^n-2 \\\\ &=& 2^n-1 \\\\ \end{eqnarray}$n=1$ を代入すると $a_1=1$
よって,$a_n=2^n-1$ は $n=1$ のときも成り立つ
したがって, $a_n=2^n-1$
階差数列から一般項を求めることができるなら簡単!
練習あるのみ!
まとめ
● 漸化式とは
数列において前の項から次の項を求めるための関係式
● 漸化式の基本パターン
① $a_{n+1}=a_n+d$ 公差 $d$ の等差数列
② $a_{n+1}=ra_n$ 公比 $r$ の等比数列
③ $a_{n+1}=a_n+(nの式)$ ($n$ の式)が $\{a_n\}$ の階差数列
④ $a_{n+1}=pa_n+q$
簡単に考えると,階差数列から一般項を求めるだけ!
コメント