式の因数分解でまず最初に考えるのが『共通因数でくくる」こと!
因数分解の途中でも『共通因数でくくる』ことは欠かせません!
因数分解する問題で超重要な『共通因数でくくる』という作業を誰でもわかるように解説しました!
因数とは
因数とは,1つの整式や数などを積の形に分解したときの各整式や各数などのことです。
例えば,$6$ を $2\times3$ に分解したとき,「$2$」と「$3$」を因数といいます。
因数分解とは,文字通り「因数に分解する(積の形に分解する)」ことで,
$$x^2-1=(x+1)(x-1)$$
のように,整式 $x^2-1$ を「$x+1$」と「$x-1$」の因数に分解することです。
共通因数でくくるとは
「共通因数でくくる」とは文字通り「共通する因数でまとめる」ことです。
簡単な例を示すと,
$a$$b+$$a$$c=$$a$$(b+c)$
$ab$ は $a$ と $b$ の因数をもち,$ac$ は $a$ と $c$ の因数をもつので,$a$ が共通因数となる。
共通因数である $a$ をかっこ外につけて,残ったものをかっこの中に入れる
この作業を「共通因数でくくる」因数分解といいます。
「共通因数でくくる」因数分解の問題を解いてみよう!
問題演習 基本編
(1) $3x^2y+6xy+9xy^2$
(2) $a^3b+a^2b-6ab$
(1) $3x^2y+6xy+9xy^2$
$=3xy(x+2+3y)$ ← $3xy$ が共通因数
$=3xy(x+3y+2)$ ←かっこの中の順番を整理
(2) $a^3b+a^2b-6ab$
$=ab(a^2+a-6)$ ← $ab$ が共通因数
$=ab(a-2)(a+3)$ ←かっこの中を因数分解
因数分解の問題では,最初に「共通因数でくくる」ことができるかを考えよう!
「共通因数でくくった」後に,因数分解の公式などが使えたら使おう!
問題演習 応用編
少し難易度が上がるよ!
これが解けたら「共通因数でくくる」因数分解は完璧!
必ずマスターしよう!
(1) $ax-x-a+1$
(2) $(a-b)x+(b-a)y$
(1) $ax-x-a+1$
$=$$(a-1)$$x-$$(a-1)$ ←前2項を $x$ で,後ろ2項を $-1$ でくくる
$=$$(a-1)$$(x-1)$ ←共通因数 $a-1$ でくくる
補足 わかりにくい場合は途中で $a-1$ を $A$ と置き換えて考える
$=$$A$$x-$$A$
$=$$A$$(x-1)$
$=$$(a-1)$$(x-1)$
(2) $(a-b)x+(b-a)y$
$=(a-b)x+(-a+b)y$
$=$$(a-b)$$x-$$(a-b)$$y$ ← $-a+b=-(a-b)$ と変形
$=$$(a-b)$$(x-y)$ ←共通因数 $a-b$ でくくる
補足 わかりにくい場合は途中で $a-b$ を $A$ と置き換えて考える
$=$$A$$x-$$A$$y$
$=$$A$$(x-y)$
$=$$(a-b)$$(x-y)$
置き換えると考えやすいね!
慣れるまでは置き換えて考えるのもOK!
慣れてきたら,置き換えずに解けるようにしよう!
🔰基本…まずはこの記事から!
🔵標準…基本問題や公式の理解度が重要!
🔴応用…場合分けなど思考力が要求される!
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