導関数とは何か?
基礎から学ぼう!
導関数の定義式
関数 $f(x)$ の $x=a$ の微分係数
$f'(a)=\displaystyle \lim_{h \to 0} \frac{f(a+h)-f(a)}{(a+h)-a}$
微分係数の定義式の $a$ を $x$ に置き換えたものが 導関数
関数 $f(x)$ の導関数 $f'(x)$ は
$f'(x)=\displaystyle \lim_{h \to 0} \frac{f(x+h)-f(x)}{(x+h)-x}$
関数 $f(x)$ から導関数 $f'(x)$ を求めることを
$f(x)$ を $x$ で微分する または 微分する という
問題
次の関数の導関数を求めよ。($x$ で微分せよ)
(1) $f(x)=x^2$
(2) $f(x)=x^3$
(1) $f(x)=x^2$
$\displaystyle{f'(x)=\lim_{h \to 0} \frac{f(x+h)-f(x)}{(x+h)-x}= \lim_{h \to 0} \frac{(x+h)^2-x^2}{h} }$
$\displaystyle{=\lim_{h \to 0} \frac{2xh+h^2}{h}= \lim_{h \to 0} \frac{h(2x+h)}{h} }$
$\displaystyle{=\lim_{h \to 0} (2x+h)=2x}$
(2) $f(x)=x^3$
$\displaystyle{f'(x)=\lim_{h \to 0} \frac{f(x+h)-f(x)}{(x+h)-x}= \lim_{h \to 0} \frac{(x+h)^3-x^3}{h} }$
$\displaystyle{=\lim_{h \to 0} \frac{3x^2h+3xh^2+h^3}{h}= \lim_{h \to 0} \frac{h(3x^2+3xh+h^2)}{h} }$
$\displaystyle{=\lim_{h \to 0} (3x^2+3xh+h^2)=3x^2}$
導関数の公式
$f(x)=x^2$ のとき $f'(x)=2x$
$f(x)=x^3$ のとき $f'(x)=3x^2$
以上より,
$f(x)=x^n$ のとき $f'(x)=nx^{n-1}$($n$ は自然数)
であることが予想される
$\displaystyle{f'(x)=\lim_{h \to 0} \frac{f(x+h)-f(x)}{(x+h)-x}= \lim_{h \to 0} \frac{(x+h)^n-x^n}{h} }$
$\displaystyle{=\lim_{h \to 0} \frac{x^n+_n C_1 x^{n-1}h+_n C_2 x^{n-2}h^2+\cdots\cdots+h^n-x^n}{h}}$
$\displaystyle{= \lim_{h \to 0} \frac{h(_n C_1 x^{n-1}+_n C_2 x^{n-2}h+\cdots\cdots)}{h} }$
$\displaystyle{=\lim_{h \to 0} ( _n C_1 x^{n-1}+_n C_2 x^{n-2}h+\cdots\cdots )=nx^{n-1}}$
導関数の定義式では時間がかかるので,
上の公式を使って導関数を求めよう!
次の関数の導関数を求めよ。
(1) $f(x)=x^4$
(2) $f(x)=x^5$
(1) $f(x)=x^4$
$f'(x)=4x^3$
(2) $f(x)=x^5$
$f'(x)=5x^4$
指数を前に出して,指数をマイナス1する
と導関数が求まる!
定数関数の導関数
次は「定数関数」($x$ を含まない関数)の導関数について考えよう!
関数 $f(x)=3$ の導関数を求めよ。
$\displaystyle{f'(x)=\lim_{h \to 0} \frac{f(x+h)-f(x)}{(x+h)-x}}$
$\displaystyle{= \lim_{h \to 0} \frac{3-3}{h} }$
$\displaystyle{=0}$
定数関数の導関数は常に $0$ になりそうだね!
その通り!
定数関数の導関数は $0$ になるよ!
関数の定数倍および和,積の導関数
$k$ は定数とする
1 $y=kf(x)$ を微分すると $y’=kf'(x)$
2 $y=f(x)+g(x)$ を微分すると $y’=f'(x)+g'(x)$
3 $y=f(x)-g(x)$ を微分すると $y’=f'(x)-g'(x)$
1 $y=kf(x)$ を微分すると $y’=kf'(x)$
例 $y=3x^2$ を微分すると($x^2$ を微分して $3$ をかける)
$y’=3\cdot2x=6x$
2 $y=f(x)+g(x)$ を微分すると $y’=f'(x)+g'(x)$
例 $y=x^2+x$ を微分すると($x^2$ と $x$ をそれぞれ微分する)
$y’=2x+1$
3 $y=f(x)-g(x)$ を微分すると $y’=f'(x)-g'(x)$
例 $y=x^2-x$ を微分すると($x^2$ と $x$ をそれぞれ微分する)
$y’=2x-1$
これらを用いて,微分の練習をしてみよう!
問題
次の関数を微分せよ。
(1) $y=x^2-4x+3$
(2) $\displaystyle{y=\frac{1}{3}x^3-\frac{3}{2}x^2+2x}$
(1) $y=x^2-4x+3$
$y’=2x-4$
(2) $\displaystyle{y=\frac{1}{3}x^3-\frac{3}{2}x^2+2x}$
$\displaystyle{y’=\frac{1}{3}\cdot3x^2-\frac{3}{2}\cdot2x+2}$
$=x^2-3x+2$
まとめ
● 導関数の定義式
関数 $f(x)$ の導関数 $f'(x)$ は
$f'(x)=\displaystyle \lim_{h \to 0} \frac{f(x+h)-f(x)}{(x+h)-x}$
● 関数を微分する
導関数 $f'(x)$ を求めることを,関数 $f(x)$ を微分する という
● 関数 $x^n$ の導関数
$f(x)=x^n$ のとき $f'(x)=nx^{n-1}$ ($n$ は自然数)
● 定数関数の導関数
定数関数の導関数は常に $0$
● 関数の定数倍および和,積の導関数
$k$ は定数とする
1 $y=kf(x)$ を微分すると $y’=kf'(x)$
2 $y=f(x)+g(x)$ を微分すると $y’=f'(x)+g'(x)$
3 $y=f(x)-g(x)$ を微分すると $y’=f'(x)-g'(x)$
計算ミスなく導関数を求められるようにしよう!
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