複素数の計算

スポンサーリンク
複素数と方程式

高校数学Ⅱで習う『複素数の計算』をわかりやすく解説しました!

計算は数学の基本!

複素数の計算のルールを学べば、確実に計算できるようになります!

計算ミスが多い複素数の計算を学ぼう!

複素数とは

複素数の復習はこれ↓

複素数
高校数学Ⅱで習う『複素数』について解説しました! 「数」は数学の基本! 数学に登場する『○○数』をきちんとおさえることは非常に重要です! この投稿を読んで、『複素数』について理解しましょう!
複素数

2つの実数 $a$,$b$ を用いて $a+bi$ の形に表される数

ただし,$i=\sqrt{-1}$ ($i^2=-1$)

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 8fbe8f5c71f5802689009f79fca88986.png

複素数の計算

ポイントをおさえて計算しよう! 

複素数の計算のポイント
  • $i$ を文字と同じように扱う
  • $i^2$ が出てきたら $-1$ に置き換える
  • 加法と減法

    問題
    次の式を計算せよ。
    (1) $(2-i)+(3+2i)$
    (2) $(2-i)-(3+2i)$

     

    解答

    (1) $(2-i)+(3+2i)=5+i$

    (2) $(2-i)-(3+2i)=2-i-3-2i=-1-3i$

     

    文字式の計算と同じだね!

    乗法

    問題
    次の計算をせよ。
    (1) $(1+i)(2-3i)$
    (2) $(2+3i)(2-3i)$
    (3) $(2-3i)^2$

     

    解答

    (1) $(1+i)(2-3i)$
      $=2-3i+2i-3i^2$
      $=2-3i+2i-3\cdot(-1)$
      $=5-i$

    (2) $(2+3i)(2-3i)$ ← $(a+b)(a-b)$
      $=2^2-(3i)^2$    ← $a^2-b^2$
      $=4-9i^2$
      $=4-9\cdot(-1)$
      $=13$

    (3) $(2-3i)^2$   ← $(a-b)^2$
      $=4-12i+9i^2$ ← $a^2-2ab+b^2$
      $=4-12i+9\cdot(-1)$
      $=-5-12i$

     

    $i^2=-1$ を使うときは,計算ミスに注意しよう!

    除法

    除法の計算を学ぶ前に「共役な複素数」について学ぼう!

    共役な複素数
    $2$ つの複素数 $a+bi$,$a-bi$ を互いに共役な複素数という

    $2+i$ と共役な複素数は $2-i$

    $\displaystyle{\frac{-1+\sqrt{3}i}{2}}$ と共役な複素数は $\displaystyle{\frac{-1-\sqrt{3}i}{2}}$

    $-2i$ と共役な複素数は $2i$

    $3$ と共役な複素数は $3$

    共役な複素数の性質
    互いに共役な複素数の和と積はともに実数である

    互いに共役な複素数 $a+bi$,$a-bi$ の和と積

    和 $(a+bi)+(a-bi)=2a$ $\cdots$ 実数

    積 $(a+bi)(a-bi)=a^2-b^2i^2=a^2+b^2$ $\cdots$ 実数

     

    複素数の除法のポイント
    分母と共役な複素数を分母分子にかける

    分母の $i$ を消去する(分母を実数にする)ために,共役な複素数を分母分子にかける!

    問題
    次の式を計算せよ。
    (1) $\displaystyle{\frac{1+3i}{1-2i}}$
    (2) $\displaystyle{\frac{1}{i}}$

     

    解答

    (1) $\displaystyle{\frac{1+3i}{1-2i}}$
      $=\displaystyle{\frac{(1+3i)(1+2i)}{(1-2i)(1+2i)}}$
      $=\displaystyle{\frac{1+2i+3i+6i^2}{1-4i^2}}$
      $=\displaystyle{\frac{1+2i+3i+6\cdot(-1)}{1-4\cdot(-1)}}$
      $=\displaystyle{\frac{-5+5i}{5}}$
      $=\displaystyle{\frac{5(-1+i)}{5}}$
      $=-1+i$

    (2) $\displaystyle{\frac{1}{i}}$
      $=\displaystyle{\frac{1\cdot(-i)}{i\cdot(-i)}}$
      $=\displaystyle{\frac{-i}{-i^2}}$
      $=\displaystyle{\frac{-i}{-(-1)}}$
      $=-i$

     

    有理化と似ているね!

    $i^○$ の性質

    $i^3,i^4$,$i^5$,$\cdots$ を計算してみよう!

    $i$

    $i^2=-1$

    $i^3=i^2\cdot i=(-1)\cdot i=-i$

    $i^4=i^3\cdot i=(-i)\cdot i=-i^2=-(-1)=1$

    $i^5=i^4\cdot i=1\cdot i =i$

    $i^6=i^5\cdot i=i\cdot i =i^2=-1$

    $i^7=i^6\cdot i=(-1)\cdot i =-i$

    $i^8=i^7\cdot i=(-i)\cdot i=-i^2=-(-1)=1$

    $i^9=i^8\cdot i=1\cdot i =i$

     

    $i$ → $-1$ → $-i$ → $1$

    の順番になっているね!

    $i=i^5=i^9=i^{13}=i^{17}=\cdots$

    $-1=i^2=i^6=i^{10}=i^{14}=\cdots$

    $-i=i^3=i^7=i^{11}=i^{15}=\cdots$

    $1=i^4=i^8=i^{12}=i^{16}=\cdots$

     

    $i^○$ の性質
    $n$ を自然数とすると, $i^{4n}=1$

     

    この性質を使って問題を解いてみよう!

    問題
    $i^{100}$ を計算せよ。

     

    解答
    $i^{100}=(i^4)^{25}=1$

    これで $i^○$ の計算はできるね!

    負の数の平方根の計算

    負の数の平方根の計算
    $a>0$ とすると $\sqrt{-a}=\sqrt{a}i$
    $\sqrt{-a}$ のまま扱わず,虚数単位 $i$ で表して計算することがポイント

     

    問題
    (1) $\sqrt{-3}+\sqrt{-12}$
    (2) $\sqrt{-2}\sqrt{-8}$
    (3) $\displaystyle{\frac{\sqrt{3}}{\sqrt{-2}}}$

     

    解答

    (1) $\sqrt{-3}+\sqrt{-12}=\sqrt{3}i+2\sqrt{3}i=3\sqrt{3}i$

    (2) $\sqrt{-2}\sqrt{-8}=\sqrt{2}i\cdot2\sqrt{2}i=4i^2=-4$

    (3) $\displaystyle{\frac{\sqrt{3}}{\sqrt{-2}}=\frac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}i}=\frac{\sqrt{3}\cdot(-\sqrt{2}i)}{\sqrt{2}i\cdot(-\sqrt{2}i)}=-\frac{\sqrt{6}}{2}i}$

    平方根の性質 $\sqrt{a}\sqrt{b}=\sqrt{ab}$,$\displaystyle{\frac{\sqrt{a}}{\sqrt{b}}=\sqrt{\frac{a}{b}}}$ は $a>0$,$b>0$ のときに成り立つが、それ以外のときに成り立つとは限らないので注意

    【誤答例】
    (2) $\sqrt{-2}\sqrt{-8}=\sqrt{(-2)(-8)}=\sqrt{16}=4$
    (3) $\displaystyle{\frac{\sqrt{3}}{\sqrt{-2}}=\sqrt{-\frac{3}{2}}=\sqrt{\frac{3}{2}}i=\frac{\sqrt{6}}{2}i}$

     

    まとめ

    ● 複素数の計算

    • $i$ を文字と同じように扱う
    • $i^2$ が出てきたら $-1$ に置き換える

    ● 共役な複素数

     $a+bi$ と $a-bi$ は互いに共役な複素数

    ● 共役な複素数の性質

     互いに共役な複素数の和と積は実数

    ● 複素数の除法

     分母に共役な複素数を分母分子にかける

    ● $i^○$ の性質

     $i^{4n}=1$ ( $n$ は自然数 )

    ● 負の数の平方根の計算

     $a>0$ とすると $\sqrt{-a}=\sqrt{a}i$
     $\sqrt{-a}$ のまま扱わず,虚数単位 $i$ で表して計算することがポイント

    計算力は数学の基本!

    コメント

    タイトルとURLをコピーしました