高校数学Ⅱで習う『複素数の範囲で解く2次方程式』について解説しました!
高校数学Ⅰでは、実数の範囲のみで2次方程式を解きました!
高校数学Ⅱで複素数を学んだので、複素数の範囲で2次方程式を解くことができます!
この投稿では、複素数の範囲で2次方程式を解く方法をわかりやすく解説しました!
2次方程式の解の公式
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解は $\displaystyle{x=\frac{-b±\sqrt{b^2-4ac}}{2a}}$
$ax^2+bx+c=0$
$a$ でくくって $\displaystyle{a\left(x^2+\frac{b}{a}x\right)+c=0}$
かっこ内を平方完成して $\displaystyle{a\left\{\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2-\left(\frac{b}{2a}\right)^2\right\}+c=0}$
展開して $\displaystyle{a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2-\frac{b^2}{4a}+c=0}$
左辺に移行して $\displaystyle{a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2=\frac{b^2-4ac}{4a}}$
両辺を $a$ で割って $\displaystyle{\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2=\frac{b^2-4ac}{4a^2}}$
$\displaystyle{x+\frac{b}{2a}=±\frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a}}$
$\displaystyle{x=-\frac{b}{2a}±\frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a}}$
$\displaystyle{x=\frac{-b±\sqrt{b^2-4ac}}{2a}}$
$x$ の係数が偶数のときの解の公式
$ax^2+bx+c=0$ の $x$ の係数が偶数のときの解は,
$\displaystyle{x=\frac{-(bの半分)±\sqrt{(bの半分)^2-ac}}{a}}$
$x$ の係数が偶数($2b’$)のとき $ax^2+2b’x+c=0$ の解は
$\displaystyle{x=\frac{-2b’±\sqrt{4b’^2-4ac}}{2a}}$
$\displaystyle{x=\frac{-2b’±\sqrt{4(b’^2-ac)}}{2a}}$
$\displaystyle{x=\frac{-2b’±2\sqrt{b’^2-ac}}{2a}}$
$\displaystyle{x=\frac{-b’±\sqrt{b’^2-ac}}{a}}$
つまり,$ax^2+bx+c=0$ の $b$ が偶数のときの解の公式は
$\displaystyle{x=\frac{-(bの半分)±\sqrt{(bの半分)^2-ac}}{a}}$
$x$ の係数が偶数のときは,これを使えるようにしよう!
実数の範囲で2次方程式を解く(数Ⅰ)
数学Ⅰでは,2次方程式を『実数範囲』で解いていた!
復習で問題を解いてみよう!
(1) $2x^2-3x-4=0$
(2) $3x^2+4x-2=0$
(3) $2x^2-2x+3=0$
(1) $2x^2-3x-4=0$
$\displaystyle{x=\frac{-(-3)±\sqrt{(-3)^2-4\cdot2\cdot(-4)}}{4}=\frac{3±\sqrt{41}}{4}}$
(2) $3x^2+4x-2=0$
$\displaystyle{x=\frac{-2±\sqrt{2^2-3\cdot(-2)}}{3}=\frac{-2±\sqrt{10}}{3}}$
(3) $2x^2-2x+3=0$
$\displaystyle{x=\frac{-(-1)±\sqrt{(-1)^2-2\cdot3}}{2}=\frac{1±\sqrt{-5}}{2}}$
$\sqrt{ }$ の中に負の数が入るので,実数解はない
$\sqrt{-5}$ は $2$ 乗したら $-5$(負の数)になるので,実数ではない
数学Ⅰでは実数しか登場しないので,(3) の答えは「解はない」(実数解はない)が正解
複素数の範囲で2次方程式を解く(数Ⅱ)
複素数とは
$2$ 乗して $-1$ になる数を $i$ とする
すなわち, $i=\sqrt{-1}$ とする
複素数 $\cdots$ $a+bi$ で表せる数
$\sqrt{負}$ の表し方
$\sqrt{-5}=\sqrt{5}i$ と表すことができるので,複素数の範囲で先ほどの (3) を解くと
(3) $2x^2-2x+3=0$
$\displaystyle{x=\frac{-(-1)±\sqrt{(-1)^2-2\cdot3}}{2}=\frac{1±\sqrt{-5}}{2}=\frac{1±\sqrt{5}i}{2}}$
実数の範囲では,「実数解はない」という答えだったが,複素数の範囲では解を表すことができる。
この解を 虚数解 という。
複素数の範囲で2次方程式を解く
(1) $2x^2-3x+2=0$
(2) $x^2+2x+2=0$
(3) $x^2+x+1=0$
(1) $2x^2-3x+2=0$
$\displaystyle{x=\frac{3±\sqrt{(-3)^2-4\cdot2\cdot2}}{2}=\frac{3±\sqrt{-7}}{2}=\frac{3±\sqrt{7}i}{2}}$
(2) $x^2+2x+2=0$
$x=-1±\sqrt{1^2-1\cdot2}=-1±\sqrt{-1}=-1±i$
(3) $x^2+x+1=0$
$\displaystyle{x=\frac{-1±\sqrt{1^2-4\cdot1\cdot1}}{2}=\frac{-1±\sqrt{-3}}{2}=\frac{-1±\sqrt{3}i}{2}}$
複素数の範囲で2次方程式を解くと,必ず解が存在するね!
2次方程式の虚数解の特徴
(1) $2x^2-3x+2=0$
$\displaystyle{x=\frac{3±\sqrt{7}i}{2}}$
(2) $x^2+2x+2=0$
$x=-1±i$
(3) $x^2+x+1=0$
$\displaystyle{x=\frac{-1±\sqrt{3}i}{2}}$
まとめ
● 2次方程式の解の公式
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解は $\displaystyle{x=\frac{-b±\sqrt{b^2-4ac}}{2a}}$
● $x$ の係数が偶数のときの解の公式
$ax^2+bx+c=0$ の $x$ の係数が偶数のときの解は,
$\displaystyle{x=\frac{-(bの半分)±\sqrt{(bの半分)^2-ac}}{a}}$
● 2次方程式の解
実数解($i$ がつかない)と虚数解($i$ がつく)が存在する
● 虚数解の性質
虚数解は互いに共役な複素数になる
数学Ⅰでは実数解のみ考える!
数学Ⅱでは虚数解も考える!
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