高校数学Ⅱで学ぶ『2次方程式の判別式』について解説しました!
判別式 $D$ は、高校数学Ⅰでも学びました!
高校数学Ⅱで、複素数の範囲で2次方程式を解く方法を学んだので、判別式もアップデートする必要があります!
計算を楽にするD/4の計算方法も解説しています!
この投稿を見れば、高校数学Ⅱで学ぶ判別式はバッチリ!
数学Ⅰで習った2次方程式の判別式をもう少し詳しくみてみよう!
数学Ⅰの2次方程式の判別式はこれ↓
2次方程式の解の公式
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解は $\displaystyle{x=\frac{-b±\sqrt{b^2-4ac}}{2a}}$
2次方程式の解の公式の復習はこれ↓
2次方程式の解の種類
複素数の範囲で考えた場合の2次方程式の解の種類を考えよう!
(1) $2x^2-2x-1=0$
(2) $4x^2-4x+1=0$
(3) $2x^2-2x+1=0$
(1) $2x^2-x-2=0$
$\displaystyle{x=\frac{1±\sqrt{(-1)^2-4\cdot2\cdot(-2)}}{4}=\frac{1±\sqrt{17}}{4}}$
異なる2つの実数解をもつ
(2) $4x^2-4x+1=0$
$\displaystyle{x=\frac{4±\sqrt{(-4)^2-4\cdot4\cdot1}}{8}=\frac{4±\sqrt{0}}{8}=\frac{1}{2}}$
重解(1つの実数解)をもつ
(3) $2x^2-x+2=0$
$\displaystyle{x=\frac{1±\sqrt{(-1)^2-4\cdot2\cdot2}}{4}=\frac{1±\sqrt{-15}}{4}=\frac{1±\sqrt{15}i}{4}}$
異なる2つの虚数解をもつ
※実数解なし(数学Ⅰ)
$\sqrt{ }$ の中が
(1) 正 (2) $0$ (3) 負
のそれぞれで解の種類が異なるね!
$\sqrt{ }$ の中が
正のとき,異なる2つの実数解
$0$ のとき,重解(実数解が1つ)
負のとき,異なる2つの虚数解(数学Ⅰでは実数解なし)
のように解の種類を分類できる
判別式 $D$
解の公式の $\sqrt{ }$ の中によって,解の種類が判別できる!
だから,$b^2-4ac$ を判別式とする!
$D>0$ のとき,異なる2つの実数解
$D=0$ のとき,重解(実数解1つ)
$D<0$ のとき,異なる2つの虚数解
【補足】実数解をもつときは,$D>0$ または $D=0$ なので,「$D≧0$ $\Longleftrightarrow$ 実数解をもつ」
$x$ の係数が偶数のときの判別式
$b$ が偶数のとき,$b=2b’$ とすると,
判別式 $D=b^2-4ac=(2b’)^2-4ac=4(b’^2-ac)$
すなわち, $D=4(b’^2-ac)$
両辺を $4$ で割って, $\displaystyle{\frac{D}{4}=b’^2-ac}$
$D$ と $\displaystyle{\frac{D}{4}}$ の符号は同じなので,
$x$ の係数が偶数のときは,$\displaystyle{\frac{D}{4}=b’^2-ac}$ を用いた方が計算が楽
思った以上に計算が楽になるので,使いこなそう!
まとめ
● 2次方程式の判別式
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の判別式 $D=b^2-4ac$ とすると
$D>0$ のとき,異なる2つの実数解
$D=0$ のとき,重解(実数解1つ)
$D<0$ のとき,異なる2つの虚数解
● $x$ の係数が偶数のときの判別式
$\displaystyle{\frac{D}{4}=(bの半分)^2-ac}$
問題
(1) 異なる2つの実数解をもつ
(2) 異なる2つの虚数解をもつ
(1) 異なる2つの実数解をもつ
2次方程式 $2x^2-2x+k=0$ の判別式を $D$ とすると,
$D=(-2)^2-4\cdot2\cdot k=4-8k$
$D>0$ より, $4-8k>0$
$-8k>-4$
$\displaystyle{k<\frac{1}{2}}$
(2) 異なる2つの虚数解
$D>0$ より, $4-8k<0$
$-8k<-4$
$\displaystyle{k>\frac{1}{2}}$
【$\displaystyle{\frac{D}{4}}$ を用いた場合】
(1) 2次方程式 $2x^2-2x+k=0$ の判別式を $D$ とすると,
$\displaystyle{\frac{D}{4}=(-1)^2-2\cdot k=1-2k}$
$D>0$ より, $1-2k>0$
$-2k>-1$
$\displaystyle{k<\frac{1}{2}}$
(2) 異なる2つの虚数解
$D<0$ より, $1-2k<0$
$-2k<-1$
$\displaystyle{k>\frac{1}{2}}$
2次方程式の解の種類についての問題が出たら,判別式!
コメント